感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
12
思想や小説を読む際にフランス史に関する知識不足を感じたので読んだ。革命の遺産として政治的事件の多いフランスであるが、革命への支持を軸とした右左という構図ではとらえきれないほど複雑。革命の遺産がなし崩し的に受容されるに従って、権力を掌握する党派が保守化し、それに左右の急進勢力が対抗する。この左右の支持層も流動的で、たとえばパリの職人や商店主などプチブル層や南部の小農民が急進党や社会党の支持基盤となるが、同時にボナパルティズムの支持層にもなりうる。面白いのは、政治的急進性は経済的先進性とは負の相関関係にある。2022/05/29




