出版社内容情報
〔商人ギルドと都市宣誓共同体〕11~12世紀ニーダーフランケン地方に成立した中世諸都市を題材に「商人ギルドから都市宣誓共同体へ」という図式を理念型的に設定した古典的名著。
目次
第1部 都市領主の時代における商人ギルド(都市領主支配下の都市;商人;商人ギルド)
第2部 都市宣誓共同体(都市宣誓共同体の成立;誓約兄弟団;都市の公職制度;共同体裁判所;自治行政;都市法と自治権)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
9
中世都市におけるギルドの規定が詳細に述べてある。「ギルド宴飲会については、平和の精神と聖なる信仰にもとづいて祝いを交換するために、すべてのギルド兄弟は武器を携行せず、子供や従者を連れずに出席すべきであると規定される。各組合員はそこで貧者のための喜捨をしなければならない。宴飲会の席上では条令が読み上げられる。ギルド兄弟間の侮辱や身体障害は十二人の選ばれた善良なる兄弟によって裁判され、この場合、後者はさらに十二人の仲間を召集することができる。彼らが下した判決に対しては異議を申し立てることはできない。」2020/07/01
鏡裕之
1
領主のものだった都市が、貧農出身の遍歴商人の冬の滞留地となって次第に商人の都市として発展し、商人たちを主としてついに大幅な自治権を獲得して「都市の空気は自由にする」に至るまでを明快に説いた古典。今となっては批判もあるようだが、力強い論理的な筆致は歴史の学徒を捉えて離さないものがある。2023/11/20