出版社内容情報
著者は比較社会史というドイツ史学の新潮流を代表する歴史家。アメリカ的価値体系としての近代化論とマルクス、ヴェーバー以来のドイツ社会科学の接点を追求する斬新な労作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
4
20世紀ドイツの代表的歴史家ヴェーラーの論文の翻訳。ここでいう「近代化理論」とは、普遍的な近代のメルクマールを設定し、その尺度に従って各国の近代化を測定し目標設定する、という論を指すようだ。これに著者は批判的で、特に、近代が理念化された結果、各国の歴史的状況を等閑視していることに反対している。この反対意見は正当だと思うし、著者は修正した近代化理論の構築を提言してもいるが、歴史を捨象されることへの歴史学者からの恨み節の観もある。で、わたしの印象では、そんな著者も「西洋的近代」の観念にどっぷり浸かっている。2021/11/07
トキ
1
理論の使い方に関して議論を展開している。本書Ⅴ(章)においてヴェーバーとマルクスの拠って立つ前提の近似性(西洋の現象・西洋中心主義)を指摘しており、マルクスに関しては本源的蓄積論と生産力の概念を主に批判しているが、批判内容としては物足りなさを感じる。前者は経験的反証に耐えられず、後者は多数の文献があるにも関わらず不明瞭であり、これは私もその通りだと思う。歴史的社会科学はヴェーバーの後継者のように思え、理論の厳密な定義とその限界の自覚による歴史への適用という点で賛同出来る。2022/04/19
トキ
0
感想は後で。2021/03/21
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