出版社内容情報
〔近代的精神の成立と生成過程〕〈ポストモダン〉がもてはやされる昨今、近代の意味を現代の歴史的状況のなかに把え直し、哲学の原点に立ち戻ることを提案する近代精神史考。
目次
序論 近代の時代精神の基本的性格
第1章 初期近代の思想的動向―ルネサンス的精神・宗教改革的精神(ルネサンス的精神;宗教改革的精神)
第2章 中期近代の思想的動向―啓蒙主義的科学観・市民社会的道徳観(啓蒙主義的科学観;市民社会的道徳観)
第3章 後期近代の思想的動向―歴史を形成する理性・近代のヘレニズム(歴史を形成する理性;近代のヘレニズム)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
7
ヒューマニズムというと人類愛と同義語みたいなことになっているが、近代思想や思考法の一つの地盤であり、これ抜きでは近代は理解できないんじゃないか。そう考えて、こんな本を手に取ったのだが、中身はほぼ近代哲学史で、もう少し文学や芸術など知的エリート外にヒューマニズムが広がる経路について知りたかった。それでも、近代哲学の貢献と限界をヒューマニズムの観点から切るとこういう風になるという意味では、概説ではなく一つのまとまった思想史になっている。今ではその限界の方ばかりが指摘されるが、自分にはポスト思想よりしっくりくる2018/10/17