出版社内容情報
ポスト・モダンの席捲する思想状況に、真の社会科学的思想を構築せんとする巨匠の強靭な思索の成果。道具的理性を批判しつつ、コミュニケイションを軸とした生活社会を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご singoito2
9
第6章は近代に分化した経済と権力のシステムが生活世界に及ぼす影響や病理についての考察、第7章は均衡市場原理を拡張したパーソンズのシステム理論が生活世界を隠蔽したという批判、第8章は本書全体を総覧しつつ、史的唯物論を革命理論としての重荷から解放し、方法論としての鋭利さを露呈させながら今日的な社会現象を解明する可能性に言及する・・・と読みました。全体を読む時間のない人は第8章の3節をまず読んで見るといいと思いました。2022/12/14
yakumomutsuki
0
読了.デュルケム,ミード,ルカーチにパーソンズ,ヴェーバー,マルクス,そしてアドルノ/ホルクハイマーと歴代の社会科学・哲学者たちの「社会科学論」を批判的に乗り越えようとした熱意が十分に伝わってくる.わからん部分はかなりあるし,知識がないだけとも思うんだけど,ハーバマスの批判的社会理論は分化した諸学問を総合するものとして構想されている,と理解しました.生活世界という日々の生活実践のなかから提出される「異議申し立て」,今の日本はどうなのかな,と考えましたがあまりないような気がします.2011/09/24
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