内容説明
東洋医学のセントラル・ドグマである気。その概念を、触覚と脊椎の形態へと翻訳した療術ともいえる「気オルトペディクス」。本書は、昭和の療術師が残した記録を手がかりに、その認識論を読み解く。日本的身体の生成を、江戸期古方派による〈気の身体〉の脱構築から説き起こし、カンギレムの規範性の哲学に接続して論じる。療術の世界で受け継がれてきた臨床の知を、MRIとオープンサイエンスによって〈測りうる規範〉へと翻訳する。日本的身体の伝統と、AI時代の計測とを架橋する、異色の医学哲学。
目次
序 カンギレムの規範性から測定の哲学へ
第1章 近代日本の療術史
第2章 ジョルジュ・カンギレムのノルマティヴィスム
第3章 日本的身体の析出
第4章 手技療法の認識論
第5章 フジモリメソッド・気オルトペディクス
第6章 体癖・体型から「測定に映る規範」へ―カンギレムと昭和療術の再読
第7章 リライアビリティ・ファースト・スパインMRIモジュール―インフラ規範性としての計測デザイン
第8章 介入としてのフジモリメソッド―「測りうる規範」として立ち上がる身体
第9章 普遍化する身体―インフラ規範性から社会規範性へ
終 背骨を整えるとなぜ病気が治るのか―施術者として、科学哲学者として
著者等紹介
藤守創[フジモリハジメ]
1988年 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌ哲学部博士課程修了。哲学博士。専攻は、科学認識論/医学哲学。神戸大学大学院医学研究科博士課程単位取得退学。ハーバード大学EALCリサーチ・フェロー、アムステルダム大学ヴォシウス・リサーチ・フェローを経て、現在、オックスフォード大学客員リサーチ・フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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