出版社内容情報
欧州連合(EU)は、物・人・サービス・資本が自由に移動する国境のない「域内市場」の構築を目指しているが、さらには持続的な成長、環境の保護、科学技術の進歩などの様々な目的も有しており、社会保護の推進もその一つである。しかし、ヨーロッパ各国は社会国家(福祉国家)としてはそれぞれ独自の発展を遂げてきた歴史があり、この分野でのEUの取組みはこれまで限定的であった。本書は、欧州統合が進められる中で、EUが加盟国における社会国家の発展に寄与するのか、あるいは支障を及ぼすことがあるのか、その影響について、主に社会保障に焦点を当てて検討する。
【目次】
はしがき
第1章 EU及び社会国家の概観
1 EUの発展
2 EUの仕組み
3 EUと加盟国の権限配分
4 社会国家の目的及び使命
5 社会国家の発展
6 社会国家の多様性と共通性
7 EUによる影響
第2章 EU社会政策の発展と社会保障の位置づけ
1 欧州経済共同体発足時の社会政策
2 社会政策に関する行動計画の策定
3 社会政策に関する新たな権限
4 社会的基本権に関する共同体憲章の採択
5 社会政策に関する協定の締結
6 全加盟国を対象にした社会政策の実施
7 EU社会政策の発展――まとめ
8 社会保障の位置づけ
9 EUによる社会保障への影響
第3章 労働者の自由移動と社会保障
1 EU域内における「労働者の自由移動」
2 「労働者の自由移動」と社会保障との関係
3 社会保障制度の調整に関する経緯
4 調整規則の概要
5 調整規則の適用範囲
6 適用法の決定ルール――抵触規定
7 調整のルール――調整規定
8 社会保障制度の調整による影響
9 職業資格の相互承認
第4章 EU市民権と社会給付の受給
1 EU市民権導入前の状況
2 EU市民権の確立
3 EU市民による給付受給に関する欧州司法裁判所の判決
4 判決の意義
5 自由移動指令の制定
6 自由移動指令以降の判決
7 「市場市民」への回帰か
第5章 社会保障における外国人の平等取扱い
1 国際機関の枠内で採択された条約における取扱い
2 二国間又は多国間で締結された条約における取扱い
3 EU法における取扱い
4 加盟国の社会保障における外国人の平等取扱い――ドイツの場合
5 国際法及びEU法による影響
第6章 域内市場と社会保障
1 「サービスの自由移動」及び「物の自由移動」
2 他の加盟国における医療給付――調整規則に基づく受給
3 サービス・物の自由移動に基づく医療給付の受給―― Kohll事件及びDecker事件の判決
4 患者権利指令
5 他の加盟国の医療提供者による医療給付
6 サービス・物の自由移動と社会保障
7 自由な競争の確保――カルテル法
8 「国家による援助」の禁止
9 自由な競争の確保と社会保障
10 域内市場におけるサービスの自由移動等による影響
第7章 社会保障改革の支援・促進
1 社会保護相互情報システム(MISSOC)
2 開放型調整方式(OMK)
3 欧州セメスター
4 欧州社会権の柱
5 加盟国の社会保障への影響
第8章 ユーロ危機と社会
内容説明
欧州連合(EU)は、物・人・サービス・資本が自由に移動する国境のない「域内市場」の構築を目指しているが、さらには持続的な成長、環境の保護、科学技術の進歩などの様々な目的も有しており、社会保護の推進もその一つである。しかし、ヨーロッパ各国は社会国家(福祉国家)としてはそれぞれ独自の発展を遂げてきた歴史があり、この分野でのEUの取組みはこれまで限定的であった。本書は、欧州統合が進められる中で、EUが加盟国における社会国家の発展に寄与するのか、あるいは支障を及ぼすことがあるのか、その影響について、主に社会保障に焦点を当てて検討する。
目次
第1章 EU及び社会国家の概観
第2章 EU社会政策の発展と社会保障の位置づけ
第3章 労働者の自由移動と社会保障
第4章 EU市民権と社会給付の受給
第5章 社会保障における外国人の平等取扱い
第6章 域内市場と社会保障
第7章 社会保障改革の支援・促進
第8章 ユーロ危機と社会保障
第9章 難民危機と最低生活保障
第10章 コロナ危機と保健医療政策
第11章 EUによる加盟国の社会保障への影響
著者等紹介
松本勝明[マツモトカツアキ]
熊本学園大学社会福祉学部教授。博士(法学)。京都大学経済学部卒業後、厚生省入省。在ドイツ日本国大使館一等書記官、厚生省福祉人材確保対策室長、マックス・プランク外国・国際社会法研究所招聘研究者、一橋大学経済研究所教授、国立社会保障・人口問題研究所政策研究調整官、北海道大学公共政策大学院教授などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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