出版社内容情報
歴史家への信頼が揺らいでいる今、ある者はアーカイブへ逃げ、またある者は知識の次元を放棄する。すなわち歴史家は、科学とフィクションのはざまで、断崖を歩いているといえる。著者は、他の人間科学との絶えざる対話と、セルトー、フーコー、エリアス、ブルデューらの著作の再読を通じて、歴史家の言説を貫く真理を希求する。
【目次】
総 序
第Ⅰ部 史学史をたどる
イントロダクション
第1章 〈インテレクチュアル・ヒストリー〉と〈心性史〉
『アナール』第一世代と〈インテレクチュアル・ヒストリー〉
〈心性史〉/〈観念史〉
切り分け(デクパージュ)を問い直す
結論は?
第2章 表象(ルプレザンタシオン)としての世界
疑問符で取り消された診断
放棄という形での、三つの位置移動
文化についての〈社会史〉から、社会についての〈文化史〉へ
集合的表象と社会的アイデンティティ
諸形式の意味
権力の関係図(フィギュール)と文化的慣習実践
第3章 歴史学、物語と認識のあいだで
動揺させられた確信
二つの方向からの挑戦――〈言語論的転回〉と〈政治的なものの回帰〉
表象の闘争と象徴的暴力
フィクションと偽造
第4章 修辞学(レトリック)的文彩(フィギュール)と歴史学的表象――ヘイドン・ホワイトにたいする四つの問い
言語決定論と主体の自由
修辞学(レトリック)のステータス
フィクションの知
第Ⅱ部 読解=読む行為
イントロダクション
第5章 「起源というキメラ」――フーコー、啓蒙、フランス革命
起源というキメラ
言説形成体と慣習実践の体制
合理性と革命
啓蒙とは何か?
テーゼと対象
言説の諸論理、社会の諸論理
第6章 戦略と戦術――セルトーと「行為の裏技」
歴史記述的操作
慣習実践の儀礼性(フォルマリテ)〔形式性〕
第7章 表象の権力と限界――ルイ・マラン、言説とイメージ
表象の理論
象徴的支配
信じさせることと信念
テクストとイメージ
第8章 権力、主体、真理――フーコーの読者フーコー
回顧の眼差し
知的な親縁性
作品の建築構造――権力、主体、真理
第Ⅲ部 隣接分野
イントロダクション
第9章 地理学と社会学のあいだの歴史学
差異の収集から、〈二つのフランス〉の発明へ
政治と社会統計
ヴィダル派地理学者たちによる「地域」
社会形態学と地域モノグラフィー
方法論と大学制度的戦略
地域と地域主義との交錯
第10章 哲学と歴史学
大文字の〈歴史〉の哲学――哲学史について
ヘーゲルを断念すること
歴史学の対象について――あるいは、普遍論争
ナラティヴ的なものについて――あるいは、物語という罠
「ヒストリー」vs.「ストーリー」――あるいは、



