出版社内容情報
いま、日本で「資質・能力」の概念は、幼児教育から高等教育、生涯学習までを貫く目標として位置付けられ、広く深く浸透している。PISAリテラシーやコンピテンシーの概念は、世界においてますます影響力を増している。従来の「学力」の範疇に収まりきらない〈新しい能力〉概念は教育をどう変えたのか。そして、私たちはいかに光と影を把握し、飼いならすことができるのか。本書はその現状と課題を明らかにする。
【目次】
まえがき
第Ⅰ部 原理と概念
第1章 コンピテンシー論の現在地――その混乱を解きほぐす(松下佳代)
はじめに
1 「コンピテンシー」という用語
2 コンピテンシー概念の展開
3 コンピテンシーの本質的特徴
4 コンピテンシーを文化的にとらえ直す
おわりに
ブックガイド
第2章 なぜ能力を飼いならすべきか――労働力商品論から市民社会論へ(樋口太郎)
はじめに
1 「能力はいかに語られているのか」の現在
2 「能力をいかに飼いならすのか」から「なぜ能力を飼いならすべきか」へ
3 労働力商品論から「なぜ能力を飼いならすべきか」を問う
4 「権利としての能力」から「財産としての能力」へ
5 市民社会論から「なぜ能力を飼いならすべきか」を問う
おわりに
ブックガイド
第3章 PISAのリテラシーは変わったか――デジタル世界を展望した「読解力」のゆくえ(樋口とみ子)
はじめに
1 PISAにおけるリテラシー概念の変遷
2 エージェンシーへの着目――批判的リテラシー論との関係
3 リテラシーの非認知面――デジタル世界への展望
おわりに
ブックガイド
第Ⅱ部 政策と実践
第4章 コンピテンシー・ベースのカリキュラム改革とはどういうことか――初等・中等教育でのコンテンツフリー化に抗して(石井英真)
はじめに
1 国際的なコンピテンシー・ベースの教育改革の展開と論争点
2 コンピテンシー・ベースのカリキュラム改革の日本的展開
3 改革を社会的自立と人間教育へとつなぐために
おわりに
ブックガイド
第5章 高等教育での統合的学習――市民性の育成と実質的な学習成果の可視化(杉原真晃)
はじめに
1 今日の高等教育改革の政策動向
2 現代の高等教育の問題点
3 人材育成偏重の克服のための統合的学習
4 人材育成偏重の克服のためのサービスラーニング
5 専門教育としてのサービスラーニングを通した市民性の育成
おわりに
ブックガイド
第6章 教師教育における能力の形成と評価をめぐる論点――〈新しい能力〉をどう飼いならしてきたか(遠藤貴広)
はじめに
1 日本の教師教育政策における能力概念の錯綜
2 教師教育カリキュラム改革実践の展開
3 〈新しい能力〉をどう飼いならしてきたか
おわりに
ブックガイド
第Ⅲ部 海外の動向
第7章 オーストリア版「PISA型教育改革」――変質した改革の行先(伊藤実歩子)
はじめに
1 「PISA型教育改革」小史 その1
2 2000



