出版社内容情報
幸徳秋水(1871年から1911年)思想家、ジャーナリスト。
中江兆民に学び、『万朝報』の記者として活躍するなかで社会主義へと傾斜。日露戦争が近づくと『平民新聞』を立ち上げて非戦論を展開し、のちに無政府主義へ接近するが、激しい弾圧に遭い、ついには大逆事件に連座して刑死する。「近代日本」を告発し続けた思想家はなぜ死ななければならなかったのか、その犠牲の意味を問う本格評伝。
【目次】
まえがき
第一章 土佐の伝次郎
1 幼年の伝次郎
2 修学時代
3 故郷からの脱出
第二章 中江兆民との出会い
1 兆民の門下生として
2 「秋水」の誕生
3 新聞記者として
4 記者としての活動
第三章 『万朝報』時代
1 社会主義への接近
2 転機としての明治三四年
3 田中正造の直訴事件と中江兆民の死
4 相次ぐ出版
5 『万朝報』を辞す
第四章 『平民新聞』の闘い
1 平民社と『平民新聞』
2 非戦論の闘い
3 弾圧の激化
4 週刊『平民新聞』の廃刊
5 巣鴨監獄の秋水
6 平民社の解散
第五章 無政府主義への傾斜
1 アメリカの秋水
2 直接行動論の波紋
3 社会党大会と日刊『平民新聞』の廃刊
4 社会党勢力の分裂
第六章 大逆事件への道程
1 最後の中村滞在
2 赤旗事件
3 巣鴨平民社の動き
4 千駄ヶ谷平民社
5 秋水の脱落
第七章 大逆事件と刑死
1 事件の発覚
2 裁 判
3 獄中の秋水
4 秋水の死
終 章 未完の幸徳秋水
参考文献
あとがき
幸徳秋水略年譜
人名・事項索引
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