出版社内容情報
井上 毅(1843年から1895年)明治期の官僚・政治家。
熊本に生まれ、上京後は司法省に出仕、のち渡欧。大日本帝国憲法、教育勅語をはじめ、重要政策の立案・起草に中心的役割を果たす。その途上で著された数々の意見書や書簡に光を当て、思想的営みと生き方を浮かび上がらせる。
内容説明
明晰の頭脳、該博の学識を以て近代日本の礎を築いた能吏の生涯。井上毅(一八四三~九五)明治期の官僚・政治家。熊本に生まれ、上京後は司法省に出仕、のち渡欧。大日本帝国憲法、教育勅語をはじめ、重要政策の立案・起草に中心的役割を果たす。その途上で著された数々の意見書や書簡に光を当て、思想的営みと生き方と浮かび上がらせる。
目次
第一章 遺筆に見る人となり
第二章 「井上毅」の誕生
第三章 司法省時代
第四章 「法制官僚」としての歩み
第五章 外交問題への関わり
第六章 激動の明治十四年
第七章 議会開設への助走
第八章 立憲君主制への試練
第九章 憲法制定から憲政実施へ
第十章 新時代に向けて
著者等紹介
大石眞[オオイシマコト]
1951年宮崎県生まれ。東北大学法学部卒業。現在、京都大学名誉教授、法学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
4
井上毅(いのうえ・こわし)といえば、大日本帝國憲法の起草に貢献したことが有名であるが、それだけではないことが本書に記されている。▼肥後藩の藩校時習館で頭角を現し、彼もまた幕末の志士、明治の元勲であった。▼大日本帝國憲法の起草もまた重要な業務であったが、清国との交渉や不平等条約の改正にも関与しており、東奔西走していた。▼個人的な感想だが、条約改正のなかで外国人判事を置くという案が国内から出されることがあった。今思えば信じられないが、漢字廃止も言われていた時代である。欧化は今よりも遥に「欧化」だったのである。2025/01/30
Go Extreme
1
左院批判・国民の権利重視の動き 幼少期の教育背景と漢学・洋学修得 木下厳次の学派→官僚としての道 欧州司法制度を調査→日本の改革提言 ポアソナード・制度改革に影響 拷問廃止など司法制度の近代化推進 司法省→太政官・立憲政体確立 司法省改革建言書 泄謗律・新聞紙条例の制定ー批判受ける 日清戦争時の外交交渉や琉球問題対応 グラント前大統領と交渉 明治十四年・憲法草案と立法権の論争 憲法案に自身の意見反映 国会設立・議院法の草案作成 政府内の混乱と世論圧力 立法権の確立ー内外圧力と対峙 政治的功績と後世への影響2025/01/31