出版社内容情報
藤原頼長(1120年から56年)・師長(1138年から92年)平安末期の公卿。
朝廷政治が不安定化した平安末期、藤氏長者・内覧として旧儀再興に努めた一方、悪左府とも言われた藤原頼長。後白河天皇即位に反発した崇徳上皇とともに、保元の乱を起こし敗死、子の師長は土佐に配流されるが、のち太政大臣まで上り詰める。貴族の世から武士の世への端境に生きた摂関家父子の生涯。
内容説明
藤原頼長(一一二〇~五六)・師長(一一三八~九二)平安末期の公卿。朝廷政治が不安定化した平安末期、藤氏長者・内覧として旧儀再興に努めた一方、悪左府とも言われた藤原頼長。後白河天皇即位に反発した崇徳上皇とともに、保元の乱を起こし敗死、子の師長は土佐に配流されるが、のち太政大臣まで上り詰める。貴族の世から武士の世への端境に生きた摂関家父子の生涯。
目次
序章 「武者の世」に翻弄された父子
第1章 頼長以前の摂関家
第2章 頼長の誕生
第3章 摂関家のプリンス
第4章 若き大臣
第5章 旧儀再興
第6章 学問・生活・家政
第7章 苦悩する執政
第8章 保元の乱
第9章 師長の配流と復活
第10章 妙音院
著者等紹介
樋口健太郎[ヒグチケンタロウ]
1974年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。現在、龍谷大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
12
「悪左府」藤原頼長とその子師長の評伝。庶子に生まれながら、親父の一存で兄の後継者となり、結果兄弟仲が拗れてしまった可哀そうな人というか、生真面目なエリートが運に見放されて謀反にまで追い詰められる様が何とも気の毒な読後感。父と院から十全のバックアップを得ていながらも、現役の摂政として幼帝を手中にしていた兄・忠通に遅れを取ったあたりは、やはり「天皇」あっての権力なのだということを再認識する。子の師長も意外と野心的な人物で、流罪の後に復権して太政大臣にまで登っているのは意外であった(最終的には失脚するけど…)。2024/04/04
やご
1
平安末期の宮廷政治家・藤原頼長とその子・師長の評伝です。藤原頼長といえば、悪左府。本書にも引用がありますが、以前読んだ『愚管抄』に「日本一の大学者で和漢の才に富み、怒りっぽく万事につけて極端な人」と評価されていました。十代の頃に読んだ吉川英治の『新・平家物語』でも、「とびきり優秀なんだけど嫌な奴」という風に描かれていたかと思います。(続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1540.htm2024/06/23
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