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出版社内容情報
今、必要なのは、批評である。批評は、「近代システム」に違和感をもち、密着することを拒否しながら、それでもなお刻印される時代の証言である。描くべきは、この居場所のなさ、不確実性に耐える言葉の立ち姿である――。
気鋭の批評家がその新生面を開き、文学にとって「近代」とは何かを問う。安吾、漱石、和辻哲郎、福澤諭吉、中江兆民、そして江藤淳。知の巨人たちとの対話と格闘の軌跡。新しい批評の誕生!
内容説明
文学にとって「近代」とは何か。安吾、漱石、和辻哲郎、福澤諭吉、中江兆民、そして江藤淳。知の巨人たちとの対話と格闘の軌跡。新しい批評の誕生!
目次
第1部 戦争と人間(天皇と人間―坂口安吾と和辻哲郎;天皇と肉体;近代の超克―江藤淳論)
第2部 古典回帰宣言(核兵器はなぜ、ダメなのか―中江兆民『三酔人経綸問答』を読む;人間・この豊饒なるもの―福澤諭吉『文明論之概略』を読む;グローバル時代の日本人―夏目漱石『門』を読む;新・代表的日本人)
著者等紹介
先崎彰容[センザキアキナカ]
1975年、東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院日本思想史博士課程単位取得修了(文学博士)。現在、日本大学危機管理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yutaro sata
23
吉本さんや江藤さん、小林秀雄など、こういう人たちに私が持っていたのは、生きていて必然的に立たされることになるポジションへの共感なのだなと思った。皆と熱狂することはできず、かといってひとりの世界に閉じ切ってしまうこともできない。牧歌的な情景は解体され、たったひとりきりで、不安定な場所でジリジリジリジリと粘り、言葉を繋ぎ、そのことによってなんとか歴史と接続されること。そして最後には疲れ切ってくたばって死ぬこと。そういった生き方にしか私は共感できないのだと思った。2024/09/28
ムーミン2号
8
ワタシには難しかった。第Ⅰ部は安吾、和辻、江藤淳を相当読んでいる人が対象のようだ。第Ⅱ部はもう少し分かりやすいが、Aの話からゴロゴロゴロゴロ転がって、やっとこさ結論めいたことに到達する論法には馴染めなかった。著者が拘っているのは「近代」であること、吉本隆明を評価しているらしいこと(とは言え、あまり出てはこない)などは伺える。混沌とした時代に必要なのが「批評」であるという初めの著者の言は、その後の本文で実証されているということなのだろうか? 読み通すことに非常な困難を覚えた。2024/10/15