出版社内容情報
都市イメージと結びついた広告的・観光的価値、映像や雑誌での都市景観としての演出について、エスノグラフィで描き出す。
内容説明
パルクールとは、1990年代にパリ郊外に住まう若者たちの遊びから誕生した、都市の構造物を利用してアクロバティックに、そしてスムーズに移動する新しいアーバンスポーツである。本書は、2000年代以降フランスのアクション映画を通じて世界に広がったパルクールが、スケートボードのように都市イメージと結びついて広告的、観光的な価値を有し、映像や雑誌、インターネットやSNSを通じて都市景観の一部として演出されている実態を実践者の豊富な言動からエスノグラフィの手法でスリリングに描く。
目次
序章 パルクールを社会学的に考察する
第1章 鍛練の文化を発展させ、スポーツを創造する
第2章 可能性の新しいプリズム
第3章 都市の若者たち
第4章 賭けのリスクを分散する
終章 都市を自分のものに転用する
付録A データと調査方法の概要
付録B 本書で使われているパルクール用語一覧
解題 パルクール研究における本書の先駆性と課題―パルクールの安全性とジェンダーの問題をめぐって
著者等紹介
キダー,ジェフリー[キダー,ジェフリー] [Kidder,Jeffrey L.]
現在、イリノイ州にあるノーザンイリノイ大学社会学部教授(原著刊行時は同大学准教授)であるキダー博士は、政治とアーバニズムに関心を持つ文化社会学者である。これまでに氏が発表した論文は、中小企業経営者の財政に関するテーマから、パルクールに見られるジェンダー化されたパフォーマンスまでと幅広い。多様な研究プロジェクトのなかで半構造化インタビューや本書で示されたような参与観察を積極的に実施している。最近では、アメリカの大学生の政治的アイデンティティやイデオロギーを理解することに関心を向け研究を進めている。氏の研究対象は広範ではあるが、その研究の目的は、個人が日常生活のなかで意味を創造しつづけようとする様々なあり方を明らかにすることにある。これまで多数の論文や編著がある
市井吉興[イチイヨシフサ]
1970年埼玉県生まれ。2000年立命館大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了、博士(社会学)。現在、立命館大学産業社会学部教授
住田翔子[スミダショウコ]
1981年愛知県生まれ。2011年立命館大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了、博士(社会学)。現在、立命館大学産業社会学部准教授
平石貴士[ヒライシタカシ]
1983年群馬県生まれ。2019年立命館大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了、博士(社会学)。現在、立命館大学産業社会学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。