出版社内容情報
インフォーマルな「政治制度」や「ガバナンス」を俎上にのせることで、実証と理論の両面におけるその意義と可能性を探る。
内容説明
政治を動かしているものは何か。現実には、フォーマルだけでなく、インフォーマルな「政治制度」や「ガバナンス」が大きな効果を持つことも少なくない。こうした現実を積極的に比較政治学の分析の俎上にのせ、実証と理論の両面におけるその意義と可能性を探る。
目次
1 暴力と政治参加―インドネシアの事例から
2 反乱軍による公共サービスの提供とナショナル・アイデンティティ―内戦後社会の市民意識に対する国家横断的アプローチ
3 「運動から政党へ」―インフォーマルな運動を背景とした政治組織はフォーマルな政治に参加するときいかに変化するか
4 常態化する労働政治のインフォーマル・プロセス―日韓「働き方改革」比較の視点から
5 鉱山開発をめぐるインフォーマルな政治連合―ペルーの2事例の差異法による分析
6 ウクライナにおける政軍関係の構造的変容―紛争後の国軍改革と自警団の台頭
7 アラブ首長国連邦におけるインフォーマルな政治と交渉―部族ネットワークの政治的再利用の検討