出版社内容情報
近代東アジアにおける思想はいかに展開し、かつ相互作用を及ぼしたのか。徳川日本から明治維新へと至った日本、そして清朝から辛亥革命(さらには社会主義革命)に至った中国において、思想家たちはいかなる思索を展開したのか。本書では、朱子学、陽明学、進歩主義、国体論、ナショナリズム、アジア主義、共産主義といった思想の流れを近代史の中に位置づけることを通じて、東アジア政治社会思想史を再構築する。
内容説明
近代東アジアにおける思想はいかに展開し、かつ相互作用を及ぼしたのか。徳川日本から明治維新へと至った日本、そして清朝から辛亥革命(さらには社会主義革命)に至った中国において、思想家たちはいかなる思索を展開したのか。本書では、朱子学、陽明学、進歩主義、国体論、ナショナリズム、アジア主義、共産主義といった思想の流れを近代史の中に位置づけることを通じて、東アジア政治社会思想史を再構築する。
目次
第1部 前史としての徳川日本(幕末・維新期の「尊王思想」―その歴史的起源;なぜ日本は「帝国」なのか―幕末日本を出発点に;頼山陽の「利」の観念―道徳の功利的形成;斎藤拙堂による清朝経世思想の受容―吉田松陰の政治思想の源流を探る;久坂玄瑞と陽明学―「鍛錬心術脱離生死」のため学ぶ;加藤弘之の「鄰艸」―何のための「公会」か)
第2部 明治日本と辛亥革命(国体、神道と近代日本の国家権力―「カミ」という視点から;外山正一による「社会学」の導入―近代東アジアにおける思想の資源として;日清戦争と東洋文明回復論―もう一つの義戦論;梁啓超と近代中国の「革命」;清末変法志士の維新観―「任侠」を中心に;清末革命派知識人の修身・倫理教科書と明治日本―蔡元培・劉師培と井上哲次郎を中心に;章炳麟の陽明学思想―日中近代における儒学思想の意義;章炳麟の革命思想―明治国家への対応)
第3部 近代中国の国家建設と日本(日本のアジア主義と中国革命―近代化におけるナショナリズムとアジア主義;汪精衛の日本留学と陽明学―その活動の背景;北一輝と中国革命―近代への模索;『華国月刊』に見る司法ナショナリズム―中華民国法のあるべき姿とは;蒋介石の明治維新論―「天は自ら助けるものを助く」;清末民国知識人に見る「文化革命像」―そのスペクトル;現代中国における「革命」と「伝統」―「文化大革命」と柳宗元;李白・杜甫)
著者等紹介
楊際開[ヤンチーカイ]
1957年中国・上海生まれ。1993年東京大学総合文化研究科国際関係論専攻、博士課程単位取得退学。杭州大学日本文化研究所、杭州師範大学、国際日本文化研究センター客員研究員、目白大学外国客員研究員などを経て、現在、学習院大学東洋文化研究所客員研究員
伊東貴之[イトウタカユキ]
1962年東京都生まれ。1993年東京大学大学院人文科学研究科中国哲学専攻博士課程単位取得退学。1996年博士(文学)を取得して、同課程を修了。現在、国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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BLACK無糖好き
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- 和書
- 監督と甲子園 〈2〉