出版社内容情報
いわゆる正社員ではない「多様な働き方」の広がりは,経済的格差や貧困問題にもつらなる重大な社会的課題となっている。本書は,労働市場の周縁に置かれてきた「非正規」雇用者,女性,若者,外国人,中小企業従業員,フリーランスなどの労働者層に特に焦点を当てる。賃金・労働時間・労使関係などの基本的な政策を捉えたうえで,人々の生活と尊厳の支えとなる働き方を展望し,必要な政策を提言する。
目次
いま労働政策に何が求められているのか
第1部 労働政策の今をつかむ5つのフレーム(賃金―暮らすに足りて公正な;労働時間―労働生産性を上げ、雇用に結びつくか;労使関係―「労使協調」がもたらしたもの;人的資源管理―人口減少社会における人材の育成と定着;非正規雇用―「働き方」による処遇格差と政策)
第2部 労働政策のこれからを読み解く10のイシュー(最低賃金制度の役割―貧困と雇用におよぼす影響;労働力不足と中小企業―未解決の日本経済の格差問題;複雑化する外国人労働問題―階層化と社会的統合;若者の就職とキャリア形成―新規学卒労働市場は変わるのか;自営業の衰退と再生―雇われない働き方をどう支えるか ほか)
著者等紹介
櫻井純理[サクライジュンリ]
立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程修了、博士(国際関係学)。大阪地方自治研究センターを経て、立命館大学産業社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
労働政策に何が求められているか 労働政策の今をつかむ5つのフレーム:賃金―暮らすに足りて公正 労働時間―労働生産性を上げ雇用に結びつくか 労使関係―労使協調がもたらしたもの 人的資源管理―人口減少社会における人材の育成と定着 非正規雇用―働き方による処遇格差と政策 労働政策のこれからを読み解く10のイシュー:最低賃金制度 労働力不足と中小企業 複雑化する外国人労働問題 若者の就職とキャリア形成 自営業の衰退と再生 正社員主義からの自由 地方の若者 ジェンダー平等 生きづらさとひきこもり 雇用保険と職業訓練2021/03/30
蝉の一生
0
現代日本の労働を巡る諸問題をそれぞれ簡潔に説明し、初心者にも大変理解しやすい内容となっています。深く知りたい人のためには「手に取ってほしい5冊の本」コーナーがあり、いずれも読みたくなってしまいます(私の場合は手を出すと待機リストが増えるだけなので我慢)。しかし、日本型労働慣行のもとで展開されてきた労働政策が、バブル崩壊後、グローバル経済に組み込まれたにもかかわらず、今なお軌道修正できず、対応しきれていない実態に慄然とします。2023/07/09
-
- 和書
- 漢とは何か、中華とは何か