出版社内容情報
米国で「黒人支配」という虚構の「可視化」はいかに行われたのか。経済不況や移民問題を抱えた20世紀転換期の米国。「黒人支配」という誇張表現によって煽られた恐怖は風刺画によって可視化され、更なる「社会不安」を扇ぎ立てた。本書では当時の地方紙を紐解き、「黒人による白人の管理・支配」という逆転を伴って描かれた風刺画が与えたインパクトをはじめ、その最中であっても冷静に融和言説を唱えた人々たちの姿を明らかする。
内容説明
米国で「黒人支配」という虚構の「可視化」はいかに行われたのか。経済不況や移民問題を抱えた20世紀転換期の米国。「黒人支配」という誇張表現によって煽られた恐怖は風刺画によって可視化され、更なる「社会不安」を扇ぎ立てた。本書では当時の地方紙を紐解き、「黒人による白人の管理・支配」という逆転を伴って描かれた風刺画が与えたインパクトをはじめ、その最中であっても冷静に融和言説を唱えた人々の姿を明らかにする。
目次
「社会不安」の醸成を通じた白人社会の再統合
第1部 風刺画の国際的展開と他者表象(『評論の評論』と風刺メディアの流行;19世紀後半アメリカ合衆国における「他者」の劣等表象―移民・経済不況・帝国主義化)
第2部 黒人の政治参加と白人社会の動揺(共和党とポピュリスト党の連立政権と人種間の政治的提携;黒人の公職登用と黒人新聞『ガゼット』の融和戦略)
第3部 「黒人支配」という虚構の可視化はいかに行われたか(政治風刺画による「黒人支配」の言説形成;「白人支配」に利用された逆転のレトリック―米国地方紙にみる「社会不安」のイメージ化)
政治における黒人の不可視化と「白人支配」
著者等紹介
深松亮太[フカマツリョウタ]
1981年生まれ。2006年桜美林大学国際学部国際学科卒業。2008年埼玉大学大学院文化科学研究科文化構造研究専攻修士課程修了。2018年法政大学大学院国際文化研究科国際文化専攻博士後期課程修了。現在、常磐大学人間科学部コミュニケーション学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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