出版社内容情報
鉄道交通は産業化や都市化を推し進めるための重要なインフラストラクチャーのひとつであるにもかかわらず、鉄道や駅の開業が実際にどのようなインパクトを社会に与えるのか、これまでデータに基づく実証的な解明はあまりなされてこなかった。鉄道が走っていなかった地域に鉄道が敷設され駅が開設されると、どのような変化が引き起こされるのか。本書はそのメカニズムとプロセスを解明する。
内容説明
鉄道交通は産業化や都市化を推し進めるための重要なインフラストラクチャーのひとつであるにもかかわらず、鉄道や駅の開業が実際にどのようなインパクトを社会に与えるのか、これまでデータに基づく実証的な解明はあまりなされてこなかった。鉄道が走っていなかった地域に鉄道が敷設され駅が開設されると、どのような変化が引き起こされるのか。本書はそのメカニズムとプロセスを解明する。
目次
鉄道交通の歴史的展開と都市圏の形成
第1部 東京大都市圏の通勤新線―大都市「圏内」交通のインパクト(東京大都市圏の鉄道交通ネットワークの展開;埼京線と埼玉県戸田市―社会構造の「転換」をもたらした30年;つくばエクスプレスと埼玉県八潮市―「転換」前の限定的変動;つくばエクスプレスと埼玉県三郷市―「転換」の鍵となる来住層の諸相;埼玉高速鉄道と埼玉県(旧)鳩ヶ谷市―短距離路線における「転換」の内実)
第2部 地方都市圏の整備新幹線―都市「間」交通のインパクト(全国・都市間の鉄道交通ネットワークの展開;北陸新幹線と長野県長野市―開業後20年の「評価」の変化;九州新幹線と鹿児島県鹿児島市―人・モノの流動拡大で地域活性を目指す交通需要喚起型;九州新幹線と福岡県筑後市―新幹線駅周辺地域に新たな魅力を見出す地域資源創出型;九州新幹線と鹿児島県薩摩川内市・福岡県久留米市―中心都市との交通利便性に着目する中心都市近接型)
第3部 交通インパクトの社会学―量・質・ビジュアルの混合研究法(社会地図でみる東京大都市圏―鉄道網が支えた通勤・通学というライフスタイル;社会地図でみる地方都市圏―三大都市圏に新幹線で結ばれた地方都市の構造;写真と住宅地図によるミクロ分析―物理的転換と社会的転換;通勤新線の交通インパクト―地域社会構造変動のグラデーション;整備新幹線の交通インパクト―ジレンマの中での政策選択と直面する課題)
「交通」を「社会学する」ために
著者等紹介
後藤範章[ゴトウノリアキ]
日本大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程満期退学。博士(社会学)。現在、日本大学文理学部社会学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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