家司と呼ばれた人々―公家の「イエ」を支えた実力者たち

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  • サイズ 46判/ページ数 250p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784623089949
  • NDC分類 322.13
  • Cコード C3021

出版社内容情報

伝統儀礼の継承者であり続けてきた公家には、その実務を担い屋台骨を支えた家政職員たる「家司」(家礼・家僕とも)たちがいたが、その実態は一般には知られていない。公家家司とはいかなる存在で、いかなる役割を担っていたのか。時には主家の諸事を処理する「政所」(家政機構)の機能が不全化すると、特定のイエや個人に集中することで絶大な権力を握った家司たちを見ることにより、公家の社会的・政治的立場がより浮き彫りとなる。

内容説明

伝統儀礼の継承者であり続けてきた公家には、その実務を担い屋台骨を支えた家政職員たる「家司」(家礼・家僕とも)たちがいたが、その実態は一般には知られていない。公家家司とはいかなる存在で、いかなる役割を担っていたのか。時には主家の諸事を処理する「政所」(家政機構)の機能が不全化すると、特定のイエや個人に集中することで絶大な権力を握った家司たちを見ることにより、公家の社会的・政治的立場がより浮き彫りとなる。

目次

家司の世界への招待
第1部 家司の身分と役割(家司の発生と展開―古代から院政期まで;家司になった人々―日野家の家司を中心に;山科家家司・大沢久守―多芸多才な補佐役;年中行事からみた家司―摂関家に仕える人々)
第2部 中世摂関家と家司(成長・台頭する家司と摂関家―保元の乱から鎌倉時代まで;戦国期、近衛家の家政職員―進藤・北小路両家を中心に;信濃小路長盛と戦国の九条家三代―下向・不如意・出奔;摂関一条家と土佐一条家に仕えた「家司」―その顔ぶれと動き)
第3部 中世以降の家司の姿(豊臣政権期の家司と官人―武家との相克から身分の保障へ;近世堂上公家の家司―久世家を事例に;近世公家の家内騒動と家司―摂家・清華家を中心に;近世の公武間交際と二条家の家司―加賀藩前田家との関係を事例に)

著者等紹介

中脇聖[ナカワキマコト]
1972年生まれ。現在、日本史史料研究会研究員、株式会社歴史と文化の研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

93
日本史史料研究会によるマニアックな分野のわかりやすいガイドブックである。古代の律令官僚たる家司が変転あって幕末に至るまでの長い長い物語である。古代の夢の跡である、公家が近世に至るまで生き延びる為の言わば、エンジンやタイヤの役割を果たしてきた集団であるが、その事績は余りにも知られてはいない。中世末期からは複業としてのお仕事になってしまっているくらいマイナーさなのだ。「今の褌一丁の若い衆、あれ〇〇様の家司」くらいな存在だったのだろう。当時の京の都では。六点の史眼を明るくしてくれる好著と思うことであるよ。2022/08/29

nagoyan

11
優。日本史史料研究会監修。副題「公家の「イエ」を支えた実力者たち」。古代律令制に四品までの親王・内親王、三位までの公卿には国家から公務員が派遣された。公卿らの家政を担当しながらも身分は官吏。摂関時代、権門に個人的に仕える受領などの中下級貴族が家司となる。院政時代には院司などとなり、そこから新たな権門の発生を見ることも。複数の権門に使えることも。中世には荘園支配等の実務を行う。近世の家司は、武家の家臣団に近い印象。家司の活躍こそが、二千年の朝廷を支え得たように感じた。馴染みのない分野だけに、新鮮でもある。2021/02/21

フランソワーズ

3
武家であれば当主は勿論、家臣の力が御家の浮沈に関わることが多く、当然興味深い人物が無数にいる。公家もまたそうでありながらも、歴史一般書ではほとんど取り上げられなかった「家司」。中世から近世まで、形を変えながらも公家のイエを支えた彼らの足跡はそのまま日本史の”現場”の一つであり、予想以上に面白かった。人物で言えば、山科家家司大沢久守は家政全般のみならず、山科家の家業を補佐したり、軍事や「たて花」という文化の面でも活躍した。その八面六臂ぶりは、久守でぜひ一冊にしてほしいほどです。2024/04/27

フルボッコス代官

3
この家司身分は、武士の家臣とは趣を異にする存在で、あまり研究の陽の目があたらないものである。この本はその家司について王朝期~戦国期まで詳しくその職務・職掌・権威について研究されている。なかなかの一冊であり、家司について研究している自分も、本書は非常に興味をそそられる。あとは今後、江戸幕末期の家司、いわゆる公家の家臣たちの身分・権威体系についての研究がまたれる。幕末期は王朝期と同様公家家臣が歴史の表舞台にたつときであるから。2021/02/09

やご

2
日本史史料研究会は、「歴史史料を調査・研究し、その成果の公開を目的にして」いる団体だそうです。近年、監修というかたちで興味深い本にたくさんかかわっていますね。一般にはそれほど知られてはいないけれど、歴史好きなら気になっているようなテーマのを。わたしも何冊か読んでいます。今回は家司(「けいし」と読みます。変換で出てこなかった・・・)です。 (続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1161.htm2021/03/16

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