出版社内容情報
日本の社会的セーフティネットは、?雇用、?社会保険、?生活保護の三層からなる。近年はしかし、雇用では非正規労働者が全労働者数の4割に達しようとしており、年金や医療の社会保険制度のほころびも顕著であり、最後の拠り所でもある生活保護も制度疲労がみられる。本書は、現在の日本の福祉における主要な重要課題を軸に、リアルな現状の把握と、最新の知見をもとに今後を展望する。
目次
福祉政策をみる視点
第1部 福祉政策の今をつかむ5つのフレーム(年金―どうする老後の貧困;医療―財政を維持しつつ質とアクセスを改善する;介護保険―人生100年時代への対応;住宅―脱商品化による保障;貧困―反貧困のための貧困理解)
第2部 福祉政策のこれからを読み解く10のイシュー(福祉サービスの「協働」モデル構想―制度的支援の「狭間」を埋める;政策評価の重要性―福祉とジェンダーをめぐって;政策がもたらす周縁化―障害者政策が抱えるジレンマと限界;非正規労働者と社会保障―多様化への対応;生活保護問題の現段階―韓国の経験からの示唆を探る ほか)
著者等紹介
埋橋孝文[ウズハシタカフミ]
関西学院大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。大阪産業大学、日本女子大学を経て、同志社大学社会学部教授、放送大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
5
福祉分野についてはまったくの素人なので解像度を上げるためにかなり役立った。理論モデルの提案については福祉国家論をはじめとして重なる部分も多いのでそれほど新鮮さはなかったが、児童虐待や住宅問題、それに東アジア間やヨーロッパ間での社会保障比較についての章は知らないことが多く、ここまで研究が進んでいることに驚いた。とくに児童虐待については普段お世話になっている子ども食堂の代表者が中学校の地域コーディネーターで、要対協や児相との連携・協働を日々実践しているため、この本を読んで初めて全体像と個別事例をリンクできた。2023/09/03
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- 和書
- 新しい社会福祉の焦点