日文研叢書
躍動する「国体」筧克彦の思想と活動

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  • サイズ A5判/ページ数 331p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623088386
  • NDC分類 155
  • Cコード C3310

出版社内容情報

筧克彦は、戦前の日本において、国体の秩序を重んじる立場から、法学と神道を組み合わせた「古神道」「神ながらの道」という独自の思想を提唱した。しかし、〈やまとばたらき〉をはじめ一見奇矯な活動を展開していたため、従来「神がかり」と言われ、まともに扱われてこなかった。本書はその位置づけを見直すために、筧の思想形成過程や活動の実態に光を当て、筧が何を成し遂げたかったのかを明らかにし、その国体論を批判的に検討するものである。

内容説明

筧克彦は、戦前の日本において、国体の秩序を重んじる立場から、法学と神道を組み合わせた「古神道」「神ながらの道」という独自の思想を提唱し、また“やまとばたらき”をはじめ一見奇矯な活動を展開していたため、従来「神がかり」と言われ、まともに扱われてこなかった。その位置づけを見直すため、筧の思想形成過程や活動の実態に光を当て、筧が何を成し遂げたかったのかを明らかにし、その国体論を批判的に検討する。

目次

戦前における国体論の展開と筧克彦
第1部 国体思想にいたる道(心理、生命、そして宗教;「古神道」の形成と天皇機関説論争)
第2部 国民教化の試み(『神ながらの道』頒布と皇学会;神社行政へのはたらきかけ)
第3部 国体思想の実践と展開(“やまとばたらき”の実践と普及;「誓の御柱」の建設とその広がり;植民地における取り組み)
筧克彦の思想の帰結と独自の国体論

著者等紹介

西田彰一[ニシダショウイチ]
1986年兵庫県神戸市に生まれ、大阪府東大阪市に育つ。2009年立命館大学文学部日本史学専攻卒業。2011年立命館大学大学院文学研究科日本史専修修了。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、2017年総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻博士後期課程単位取得退学、同9月に博士(学術)取得。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学授業担当講師、阪南大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

17
東京帝国大学法学部教授で憲法学者の筧克彦については、立花隆の本の影響もあり「神がかり」でファナティックな人物としての印象が強い。本書はその筧の思想を深堀しながら、戦前期の国体論の実態、その一端の解明を試みたもの。筧は「古神道」「神ながらの道」を唱え、神と人を調和し現実と理想を結びつけるため<やまとばたらき>という体操を考案し、実践と普及に努めた。貞明皇后の信頼を獲得していたのも大きかったようだ。しかし1930年代後半以降、筧の思想の国体論と神道を接続させた議論も限界を迎えた。 TBC2020/10/17

フォン

3
明治から昭和にかけて活躍した法学者で「神ながらの道」を唱えた思想家、筧克彦に関する専門書。 戦前においても「奇人」といわれ、戦後は殆ど狂人と目された筧の思想を、神道に基づく国民の自発的な国家への貢献を期待する「共感の共同体」の思想だと分析。その思想の背後にドイツ公法学や生の哲学が存在していたとの指摘は日本の精神主義の背後にベルクソンを見いだす片山杜秀の議論とも通じる。 また個人的には筧の議会政治を否定しない奇矯で穏和な国体論が昭和初期には批判に晒されていた事実は大正という時代を考える上で示唆的だった。2020/11/13

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