出版社内容情報
論争分析から提起する権利をめぐる実質的議論
自由権は憲法上の権利の核心であることに疑いはなく、平等権は現在広く主張され定着しつつある権利である。しかし、個人の発信力が大きくなった現在、自由、平等という言葉が濫用され、人権侵害や平等違反が世に溢れつつある。本書はこうした現象の放置が、やがて反民主主義にも繋がるものと捉え、現代の論争的トピックを取り上げ、法理論・法思想の原理を主軸に検証し、実質的な議論の端緒となることをめざす。
内容説明
自由権と平等権は、憲法上の権利の核心的地位を占めている。しかし、個人の発信力が大きくなった現在、自由、平等という言葉が濫用され、人権侵害や平等違反が世に溢れつつある。本書は、こうした現象のうち、男女平等、個人情報保護、セクハラ、性道徳、インターネット上の表現規制、資本主義の膨張など現代の論争的トピックを多く取り上げ、通説的な論調が、過剰な権利保護、自由の喪失、全体主義、反民主主義なるものを生み出していることをあぶりだす。
目次
序 自由と平等の享有主体
第1部 平等権(尊属殺重罰規定;女性の再婚禁止期間規定;夫婦同氏制;非嫡出子法定相続分差別規定;生後認知を受けた非嫡出子と国籍の取得 ほか)
第2部 自由権(幸福追求権;思想・良心の自由;信教の自由;表現の自由;経済的自由)
補 人権規定の適用範囲
著者等紹介
加藤隆之[カトウタカユキ]
1970年生まれ。1994年中央大学法学部卒業。2002年中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、亜細亜大学法学部教授。博士(法学、中央大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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