出版社内容情報
本書は、ドイツ文化社会学、機能主義的社会学、文化論的転回に着目し、それぞれの「文化概念の特性」を時系列に考察するとともに、機能主義的社会学を代表するパーソンズが構想した文化理論の今日的意義を明らかにする。
また、文化概念の特性を「関係的性質」つまり文化の役割、作用を社会構造との関連のうちに捉えることで文化決定論に陥りがちな文化論的展開を乗り越える可能性も論究する。
目次
第1章 ドイツ社会学における文化概念の特徴と限界(M.ウェーバーにおける文化概念―文化の存立根拠(価値理念)
ジンメルにおける文化概念―「主観」と「客観」の関係 ほか)
第2章 パーソンズ文化概念を特徴づける初期の統合的性格(フランス社会学を源流とする機能主義的発想;秩序問題に向けられたパーソンズの社会学的関心 ほか)
第3章 中期以降におけるパーソンズ文化概念の性質的変遷(パーソンズ文化概念の「性質的変遷」―1950年代後半;パーソンズ文化概念の「性質的変遷」―1960年代前半 ほか)
第4章 文化論的転回と機能主義的社会学―パーソンズ以降の文化理論の一断面(文化論的転回の反機能主義的側面;一般的考察―文化論的転回 ほか)
第5章 中期におけるパーソンズ文化理論、その潜在的有効性―「文化の社会理論」の構築へ向けて(文化論的転回の陥穽―解釈学的アプローチが孕む問題点;カルチュラル・スタディーズにおける文化概念 ほか)
著者等紹介
白石哲郎[シライシテツロウ]
現在、佛教大学社会学部非常勤講師。愛媛県出身。松山大学人文学部卒業。佛教大学社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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