出版社内容情報
20世紀を代表する政治哲学の名著が問いかけるものとは――
ポストモダンの地平の先に哲学的思考の在り方と「近代」を超える道を示す。
20世紀を代表する哲学者レオ・シュトラウスはその主著『自然権と歴史』で歴史主義・価値相対主義に抗し、伝統的な自然権論を擁護した。本書では古代ギリシャから現代にいたる自然権論をシュトラウスの主著を手がかりに読み直し、自然権論の可能性とそれが思想史上どう位置づけられるか、多様な視座から読み解くこころみ。
内容説明
20世紀を代表する哲学者レオ・シュトラウスはその主著『自然権と歴史』で歴史主義・価値相対主義に抗し、伝統的な自然権論を擁護した。本書では古代ギリシャから現代にいたる自然権論をシュトラウスの主著を手がかりに読み直し、自然権論の可能性とそれが思想史上どう位置づけられるか、多様な視座から読み解くこころみ。
目次
『自然権と歴史』の表題について―「正」と「権」の意味をめぐって
シュトラウスと歴史主義の問題
歴史主義と「哲学的倫理」としての自然的正
ウェーバーとシュトラウス―「人間の理性では価値の葛藤を解決できない」というテーゼをめぐって
歴史的研究の方法をめぐるシュトラウスのウェーバー批判
はじめにコンヴェンショナリズムありき―『自然権と歴史』第3章を読む
エピクロス哲学とレオ・シュトラウス
Classic Natural Rightの教理における最善のレジームとジェントルマン
シュトラウスにおける古典的自然権と近代的自然権
近代自然権論の創始者としてのホッブズ
政治化する哲学―ホッブズの快楽主義、理想主義、無神論
「近代的自然法の頂点」としてのロック
秘教としてのロック、顕教としてのロック―シュトラウスのロック読解と戦後アメリカの保守主義にもたらしたもの
古代への回帰と近代の推進―シュトラウスによるルソー再評価
危機の理解とエソテリシズム
シュトラウスのバーク―なぜ近代性の危機は抗うほどに増幅されるのか
論理嫌い(ミソロゴス)と歴史主義への道―シュトラウスのバーク論に寄せて
自然権の存在論―「在ろうとして在るもの」としての自然権
著者等紹介
石崎嘉彦[イシザキヨシヒコ]
1948年生まれ。1982年大阪大学大学院文学研究科哲学哲学史専攻博士課程単位取得退学。2009年広島大学博士(文学)。現在、摂南大学名誉教授
厚見恵一郎[アツミケイイチロウ]
1967年生まれ。1996年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程退学。2005年博士(政治学)早稲田大学。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。