出版社内容情報
新しいシステムに生まれ変わる歴史的段階のいま、「労働」と「暮らし」の困難を新たな視点で論じる「働き方改革」が進むなか、どういう人がどのくらい長く働いているのかという、これまで十分に明らかにされてこなかった基本的事実を「特集」に据え、労働時間の長さが決まる仕組みと実際の長さを日独比較検討するほか、デンマークの労働時間の柔軟化と組合規制、就労世代の「生活時間の貧困」、非正社員の働き方・暮らし方と政策等を焦点に論じる。「小特集」では、現代ヨーロッパ、特にドイツとフランスにおける労使関係と労働組合運動の動向を、主として企業・事業所レベルでの組織と運動に着目して再検討し、新たな視角から日欧の労働組合・労使関係の比較研究へ向けた問題提起を行う。
巻頭言:労働リテラシー教育という可能性(小野塚知二)
【特集】正社員の労働時間、非正社員の労働時間
〈特集趣旨〉座長報告:なぜ日本の労働時間はドイツより長いのか(田中洋子)
就労世代の生活時間の貧困に関する考察(浦川邦夫)
労働時間をめぐるルールについての一試論(中村圭介)
非正社員の働き方・暮らし方と政策課題――パートタイマーを中心に(三山雅子)
デンマークにおける労働時間の柔軟化と組合規制(菅沼 隆)
労働時間問題へのもう一つのアプローチ――要員をめぐる話し合いに焦点を合わせて(禹 宗?)
【小特集】現代欧州の労働組合と労使関係:企業・事業所レベルへの着目
〈小特集趣旨〉「横断的」組合像・労使関係像の脱神話化へ――小特集に寄せて(兵頭淳史)
ドイツにおける事業所閉鎖とストライキ(岩佐卓也)
フランス労働総同盟の組織構造――「企業別組合」論への示唆(赤堀正成)
【投稿論文】
草創期の社会保障政策に対する通商政策の規定的影響――第一次大戦前の西洋諸国を対象とする国際比較研究(松永友有)
小売業における雇用形態別従業員編成に関する考察――百貨店、総合スーパーの事例を中心に(野村かすみ)
地方分権下の地域社会における社会福祉法人中心に制度改革の意義――公益的活動の法制化に注目して(村田文世)
【書 評】
浦坂純子著『あなたのキャリアのつくり方:NPOを手がかりに』(評者:大槻奈巳)
首藤若菜著『グローバル化のなかの労使関係:自動車産業の国際的再編への戦略』(評者:猿田正機)
石垣千秋著『医療制度改革の比較政治:1990~2000年代の日・米・英における診療ガイドライン政策』(評者:尾玉剛士)
柴田 悠著『子育て支援が日本を救う:政策効果の統計分析』(評者:畠中 亨)
志賀信夫著『貧困理論の再検討:相対的貧困から社会的排除へ』(評者:畑本裕介)
【SUMMARY】
社会政策学会[シャカイセイサクガッカイ]
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