出版社内容情報
「私」を基点に捉えることで、身近な私たちの暮らしの中で、ごく自然に地域福祉について考え、実践できる斬新な「視座」を示す地域福祉の“いま”&“リアリティ”を問うことなしに、新たな展開は望めない
――生活支援・地域づくりに関わるすべての人々の必読の書
日本ソーシャルワーク教育学校連盟副会長・同志社大学社会学部教授 上野谷加代子
本書は、「私」を基点に捉えることで、身近な私たちの暮らしの中で、ごく自然に地域福祉について考え、実践できる斬新な「視座」を提示している。
ルーマンやハーバーマスなどの社会科学の理論を応用した多角的な論考を通じて、「コミュニティ」を「私たちづくり」という観点から再解釈し、住民による福祉活動や各種の専門職による実践をより充実させたり、これから活動してみようとしている人たちを後押しする「実践」のための書であり、地域福祉の新たな地平を切り拓く「理論」書でもある。
「私」と地域の「つながり」を把握しやすくなる一冊。
まえがき
序 章 「視座」転換で拓ける地域福祉の新たな見方
1 地域福祉を捉えるための「概念装置」
2 なんでも「地域福祉」的状況の再考を!
3 「地域」をどのように捉えるのか
4 コミュニティソーシャルワーカーと学生との連携によるひきこもりの人への支援活動にみる「視座」の転換
5 「視座」転換のための「区別」の用い方
第1章 「つながりをつくる」と「くらしをまもる」――地域福祉の2つの機能
1 実践の観点を重視した捉え方
2 地域における2つのソーシャルワークの機能
3 地域における支援の概念整理
4 「個別支援」に軸足を置いた展開とその限界
5 「つながりをつくる」機能の着眼点と方法――「地域」にアプローチする方法
第2章 「生活課題の解決」と「地域のガバナンスの構築」――システム理論で読み解く地域福祉
1 岡村理論における地域福祉論
2 岡村の地域福祉論の構成――地域組織化と福祉組織化を中心に
3 岡村理論をシステム理論で読み解く
4 「主体化」と「資源化」――地域福祉のパラドックス
5 「コミュニティソーシャルワークシステム」と「コミュニティワークシステム」―地域福祉推進のための2つのシステム
第3章 「地域のガバナンスの構築」と地域福祉計画――理想と現実の狭間で
1 市町村行政における住民の参加の意義・必要性
2 地域福祉計画と地域福祉活動計画の捉え方
3 住民の主体化(主体形成)のプロセス
4 地域のニーズを把握する上での課題と地域福祉計画
5 住民参加の「ねらい」は……
6 地域共生社会の実現に向けて
第4章 社会福祉協議会の存在意義――地域福祉を推進できるのか
1 社会福祉協議会が地域福祉を「計画」的に推進することの意義
2 発展強化計画の考え方
3 地域福祉活動の計画的推進
4 地域福祉活動計画づくり
5 戦略としての地域福祉計画
6 地域福祉推進の手法としての個別支援と地域支援
7 計画の評価,そして循環的な展開へ
第5章 主体性とパターナリズム――ボランティア・住民の政策的動員をめぐって
1 「ボランティア」の定義づけ
2 ボランティアと主体性
3 ボランティアの主体形成――だれがそのことを問題にしているのか?
4 パターナリズムをめぐって
5 「展望」ではなく多様な「展開」を……
第6章 参画と協働を促すコレクティブ・アプローチ――リベラリズムかコミュニタリアニズムか
1 自己決定原則の限界
2 予防的活動としての福祉ニーズの発見とそれへの対応――孤立死を例にして
3 地域福祉が依拠するのは「リベラリズム」か「コミュニタリアニズム」か
4 地域住民の参画と協働を促すコレクティブ・アプローチ
5 「コミットメントの恣意性」の自覚を
第7章 対話と学び合いで進める「公共」の再構築――熟議のアゴラへ
1 日本的な「社会関係資本」としての地域における福祉活動
2 相互変容の機会としての対話と学び合い
3 熟議の場としての公共空間
4 共同体から公共性への展開
5 地域における“共”の再構築
終 章 地域福祉論の意味論の変遷と“いま”
1 地域の主体性・住民主体・地域組織化の重視と地域福祉論
2 在宅福祉サービスの重視と地域福祉論
3 地域自立生活の支援と地域福祉論
4 地域福祉論の原点回帰――自治型地域福祉
5 総合相談・地域づくりおよび地域福祉計画と地域福祉論
あとがき
参考文献
索 引
論 点
1 コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の配置をめぐって
2 深刻な生活状況をめぐって
3 「伴走型支援」をめぐって
4 地域包括ケアシステムと地域福祉をめぐって
5 社会福祉法人改革と地域福祉をめぐって
6 エンパワーメントをめぐって
7 「我が事・丸ごと」をめぐって
8 地域活性化をめぐって
松端 克文[マツノハナ カツフミ]
著・文・その他
内容説明
本書は、「私」を基点に捉えることで、身近な私たちの暮らしの中で、ごく自然に地域福祉について考え、実践できる斬新な「視座」を提示している。ルーマンやハーバーマスなどの社会科学の理論を応用した多角的な論考を通じて、「コミュニティ」を「私たちづくり」という観点から再解釈し、住民による福祉活動や各種の専門職による実践をより充実させたり、これから活動してみようとしてる人たちを後押しする「実践」のための書であり、地域福祉の新たな地平を切り拓く「理論」書でもある。「私」と地域の「つながり」を把握しやすくなる一冊。
目次
序章 「視座」転換で拓ける地域福祉の新たな見方
第1章 「つながりをつくる」と「くらしをまもる」―地域福祉の2つの機能
第2章 「生活課題の解決」と「地域のガバナンスの構築」―システム理論で読み解く地域福祉
第3章 「地域のガバナンスの構築」と地域福祉計画―理想と現実の狭間で
第4章 社会福祉協議会の存在意義―地域福祉を推進できるのか
第5章 主体性とパターナリズム―ボランティア・住民の政策的動員をめぐって
第6章 参画と協働を促すコレクティブ・アプローチ―リベラリズムかコミュニタリアニズムか
第7章 対話と学び合いで進める「公共」の再構築―熟議のアゴラへ
終章 地域福祉論の意味論の変遷と“いま”
著者等紹介
松端克文[マツノハナカツフミ]
武庫川女子大学文学部心理・社会福祉学科教授。「神戸北・コミュニティデザインLab.」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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