詳論 文化人類学―基本と最新のトピックを深く学ぶ

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詳論 文化人類学―基本と最新のトピックを深く学ぶ

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  • サイズ A5判/ページ数 400p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623082711
  • NDC分類 389.04
  • Cコード C3036

出版社内容情報

文化人類学をより深く、詳しく学びたい読者のために 24のトピックから知る最前線の研究本書の目的は,文化人類学の基礎を学んだ学生を対象に,同分野をより深く掘り下げて解説すると同時に,新たな研究動向についても紹介することにある。全体を2部に分けて,第?部「基本領域」では,姉妹書の綾部恒雄・桑山敬己編『よくわかる文化人類学 第2版』(ミネルヴァ書房,2010年)の内容を詳述かつアップデートし,第?部「新たな展開」では最新の理論やテーマを取り上げる。
真剣に学びたい学生のために,学界を代表する研究者が力を結集して書いた入魂の一冊!


まえがき


第?部 基本領域

第1章 文化相対主義の源流と現代(桑山敬己)
 1 文化相対主義の登場と発展
 2 文化相対主義批判の古典的事例──言語相対論をめぐって
 3 文化相対主義の現代的諸相
 4 課題と展望

第2章 言語人類学(名和克郎)
 1 前史および古典期
 2 コミュニケーションの民族誌
 3 現代言語人類学の展開
 4 言語人類学の主張
 5 課題と展望

第3章 狩猟採集社会──その歴史,多様性,現状(岸上伸啓)
 1 狩猟採集社会の歴史
 2 多様な狩猟採集社会
 3 21世紀の狩猟採集社会──カナダ・イヌイット社会
 4 狩猟採集の現代的な意義
 5 課題と展望

第4章 文化と経済(山本真鳥)
 1 贈与交換と互酬性
 2 モラル・エコノミー
 3 地域通貨
 4 ジェンダーと経済
 5 文化と資本主義経済
 6 課題と展望

第5章 家族と親族(河合利光)
 1 家族・親族研究の開始と展開
 2 グローバル化の中の家族と親族
 3 親族研究における西洋的二元論の克服
 4 世界内存在としての身体と家族・親族
 5 課題と展望

第6章 ジェンダーとセクシュアリティ(宇田川妙子)
 1 ジェンダーの人類学,ジェンダー視点の人類学
 2 ジェンダーとセックス
 3 女性の可視化という問題
 4 ジェンダーと権力
 5 セクシュアリティ,トランスジェンダー,様々な性のかたち
 6 課題と展望──視点としてのジェンダー

第7章 同時代のエスニシティ(綾部真雄)
 1 誰がエスニックか
 2 エスニシティ前夜
 3 論   争
 4 定義と定位
 5 同時代のエスニシティ
 6 課題と展望

第8章 法と人間(石田慎一郎)
 1 争論の中での法の発見
 2 争論を文脈化する──法との接点において働く力
 3 他者を知る法理論──法のプルーラリズム/オルタナティブ
 4 法の確定性を支えるメカニズム──法人類学のもう一つの筋書き
 5 課題と展望──法人類学のさらなる筋書き

第9章 政治・紛争・暴力(栗本英世)
 1 伝統社会の暴力と人権問題
 2 東アフリカ牧畜社会の武力紛争
 3 現代の民族紛争と内戦
 4 課題と展望──戦争と平和という連続体

第10章 宗教と世界観(片岡 樹)
 1 文化人類学と宗教
 2 宗教とは何か
 3 世界を意味づける
 4 再び宗教とは何か
 5 課題と展望

第11章 儀礼と時間(松岡悦子)
 1 人類学における儀礼研究
 2 リミナリティのもつ力──ヴィクター・ターナー
 3 分類と境界
 4 象徴研究とその先へ
 5 課題と展望──グローバル社会における儀礼と政治

第12章 医療と文化(白川千尋)
 1 非西洋医療への関心
 2 多元的医療論
 3 非西洋医療をめぐるグローバルな動向
 4 病気のとらえ方
 5 課題と展望

第13章 グローバリゼーションと移動(湖中真哉)
 1 グローバリゼーションの人類学
 2 グローバリゼーションとは何か──歴史化的転回
 3 さまよえるグローバリゼーション研究──否定論的転回
 4 ローカリティとフィールドの消滅──連接論的転回
 5 グローバルなものとローカルなもの──存在論的転回
 6 課題と展望──ポスト・グローバリゼーション的転回

第14章 開発と文化(関根久雄)
 1 普遍性と個別性
 2 言説としての開発
 3 感情によって揺れる開発
 4 「持続可能な開発」と文化
 5 課題と展望

第15章 観光と文化(川森博司)
 1 観光現象と文化人類学
 2 観光のまなざしと生活文化
 3 地域イメージと演じられる文化
 4 情報化時代における場所の意味
 5 課題と展望

第16章 民族誌と表象・展示(高倉浩樹)
 1 民族誌とは何か
 2 人類学と民族誌記述の歴史
 3 民族誌の発展
 4 民族誌批判
 5 民族誌の可能性
 6 課題と展望

第17章 フィールドワーク論(佐川 徹)
 1 人類学的フィールドワークの特徴
 2 フィールドワークの現在
 3 フィールドワークにともなう倫理
 4 フィールドワークで遭遇する危険と困難
 5 課題と展望


 第?部 新たな展開

第18章 構造主義の現代的意義(出口 顯)
 1 構造の定義
 2 文化と自然の連続
 3 主体の解体,作者の死
 4 神話が考える
 5 構造主義の倫理
 6 課題と展望

第19章 「もの」研究の新たな視座(床呂郁哉)
 1 「もの」研究の系譜
 2 近年の人類学における「もの」への回帰
 3 「もの」研究のいくつかの視点
 4 脱人間中心主義的人類学の可能性
 5 課題と展望

第20章 災害とリスクの人類学(木村周平)
 1 生活・環境・災害
 2 被災(害)者という対象
 3 災害というプロセス
 4 リスクに備える
 5 課題と展望

第21章 人とヒト──文化人類学と自然科学の再接合(田所聖志)
 1 文化人類学の対象とする人とヒト
 2 文化人類学からの「再接合」
 3 自然科学からの接近
 4 科学技術社会論と「再接合」
 5 課題と展望

第22章 映像と人類学(田沼幸子)
 1 映像と人類学の黎明期
 2 科学と制度化
 3 革命とアヴァンギャルド
 4  共有」とは?──ネイティヴの視点から
 5 課題と展望

第23章 認識論と存在論(綾部真雄)
 1 社会科学の通奏低音
 2 人類学と認識論
 3 存在論的転回
 4 パースペクティヴィズムの外延
 5 課題と展望

第24章 日本研究の現在──医療人類学の視点から(北中淳子)
 1 異なる近代としての日本──科学・医療人類学的視座
 2 日本の医療研究──象徴主義と社会構成主義的アプローチ
 3 ライフサイクルの医療化論
 4 精神医学の人類学
 5 課題と展望


人名索引
事項索引

桑山 敬己[クワヤマ タカミ]
編集

綾部 真雄[アヤベ マサオ]
編集

内容説明

本書の目的は、文化人類学の基礎を学んだ学生を対象に、同分野をより深く掘り下げて解説すると同時に、新たな研究動向についても紹介することにある。全体を2部に分けて、第1部「基本領域」では、姉妹書の綾部恒雄・桑山敬己編『よくわかる文化人類学第2版』(ミネルヴァ書房、2010年)の内容を詳述かつアップデートし、第2部「新たな展開」では最新の理論やテーマを取り上げる。真剣に学びたい学生のために、学界を代表する研究者が力を結集して書いた入魂の一冊!

目次

第1部 基本領域(文化相対主義の源流と現代;言語人類学;狩猟採集社会―その歴史、多様性、現状;文化と経済;家族と親族 ほか)
第2部 新たな展開(構造主義の現代的意義;「もの」研究の新たな視座;災害とリスクの人類学;人とヒト―文化人類学と自然科学の再接合;映像と人類学 ほか)

著者等紹介

桑山敬己[クワヤマタカミ]
1955年東京生まれ。東京外国語大学英米語学科、同大学院地域研究研究科修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校人類学部博士課程修了(Ph.D.)。ヴァージニア・コモンウェルス大学助教授、北海道大学大学院文学研究科教授などを経て、関西学院大学社会学部教授、北海道大学名誉教授

綾部真雄[アヤベマサオ]
1966年福岡県生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒。東京都立大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。チェンマイ大学社会学部客員研究員を経て、東京都立大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得退学。成蹊大学文学部国際文化学科専任講師、助教授を経て、首都大学東京大学院人文科学研究科教授。博士(社会人類学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いまにえる

1
文化相対主義、言語、ジェンダー、法、宗教など基本的な概念について人類学的考察を紹介した本。面白かった。「古今東西の諸宗教の事例が明らかにするのは、むしろ儀礼が信仰や教義や神話に先行することのほうが常態であったという事実である。」というのは、普通宗教は教義や信仰が本質的に定義づけるものと考える私たちにとっては驚くべきものである。最新の研究についても掲載されているので、この中から興味を持った文献について実際読んでみるのもいいかもしれない。2018/06/30

文狸

0
充実の内容。「このトピックについて、人類学ではどのように語られているのだろうか」と外観するには打ってつけの本である。参考文献リストもかなり役に立つ。2020/07/15

かぺら

0
社会科学に流れる通奏低音は存在論と認識論であった。文化人類学も例外ではなく、言語論や存在論による幾度もの転回を踏まえて現在がある。他者を観察することで自己を相対化し、自己の記述を行うミクロで繊細な学問である文化人類学はミクロであるからこそ理論的な揺れ幅が大きいのではないかと思わせるところがあったように思う。 この本は文化人類学ではあまり存在しない概説書で前半が基本事項で後半が現在の論点とテーマ別にまとまっており非常に読みやすかった。 特に観光や存在論的転回については更に知識を深めていきたいと思った。2018/09/14

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