内容説明
忘れられた幕臣の開国外交、「不平等条約」締結の真意とは何か。
目次
開国の立役者・岩瀬忠震
無為の青年期
儒者としての四年間
鯤、化して鵬となる
貿易開始の主張と日蘭日露通商条約締結
長崎往復道中日記から
横浜開港意見書と当時の一般世論
ハリスとの交渉―日米修好通商条約
日米通商条約の勅許下らず
井伊直弼の登場と日米通商条約調印
オリファントの見た忠震と安政の大獄
作事奉行への左遷
蟄居と終焉
著者等紹介
小野寺龍太[オノデラリュウタ]
1945年生まれ。1963年福岡県立修猷館高等学校卒業。1967年九州大学工学部鉄鋼冶金学科卒業。1972年九州大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学。九州大学工学部材料工学科教授を経て、九州大学名誉教授(工学博士)。日本近代史、特に幕末期の幕臣の事跡を調べている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケニオミ
9
日経新聞夕刊に連載していた木内昇の「万波を翔る」が先週終わりました。幕末の外交を担った武士たちの奮闘ぶりを描いた小説でしたが、とても興味深く、毎日楽しみに読んでいました。{終わったときは、大好きなテレビ・アニメが終わったときの虚脱感に襲われました。(ちょっと大袈裟かな)}今回手にしたのはその志士の一人、岩瀬忠震についてのノンフィクションです。今後の日本を見通し、天皇の詔勅もなく、上司井伊直弼の引き延ばし依頼も顧みず、日米友好修好条約を締結した益荒男でした。少しばかり教科書っぽいですが、お薦めの一冊です。2018/03/27
Mark
1
徳川時代の鎖国を解き、開国に踏み切ったのは江戸幕府自身で、岩瀬忠震に代表される優秀な能吏の活躍があってこその近代日本。物事の細部にこそその真の価値が宿る。 幕末大河ドラマなどの通俗歴史観に毒されてきた自分を恥じる。 薩長の田舎侍は、将来ビジョンを持たず、無知な公家を脅して尊王攘夷を振りかざし、無用の内乱を起こし政権を握ったというのが真実の姿。そして、その約80年の後に日本を破滅の淵まで追い込んだ連中の物語を有難がるのは愚昧だと思う。2018/03/15
おかみつる
0
岩瀬忠震はどうしてこんな外交手法をもてたのだろうか? そのなぞはそのままだ。 日本人はこのころから保守的で、日本をダメにする人が多かったんだろうな 今でも通じるね。