出版社内容情報
在宅ワークを家内労働の情報サービス化と位置づけ、その変遷と在宅ワークの法的保護を考察する近年、「偽装雇用」という言葉の流行とともに、委託・請負契約で働く人が増加している。なかでも自宅で働く家内労働と在宅ワークは対照的である。本書では、在宅ワークを家内労働の情報サービス化と位置づけて、家内労働の変遷と在宅ワークの法的保護を考察する。戦後日本の内職・家内労働を誰がどのようにして担ってきたのかということと、いかなる変遷をへて脱工業化や情報化の現在に至っているのかを歴史的に考察した研究成果。
序 章 内職・家内労働研究の課題と分析視角――在宅ワーク研究の進展のために
1 在宅ワークとは何か
2 家内労働の概念整理
3 家内労働研究の分析視角
4 本書の構成
第1章 高度成長期の内職・家内労働――大阪府を事例として
1 内職とは何か
2 家内労働の定義と類型
3 家内労働者と委託者の概況
4 世帯主の社会階層と家計収入
5 家内労働とパートタイム労働
6 内職・家内労働と家族の変容
第2章 家内労働法制定をめぐる政策論議――高度成長期の日本を中心に
1 家内労働法の特質は何か
2 萌芽期の政策論議
3 政策論議の高揚
4 政策論議の帰結
第3章 高度成長期の授産「内職」事業――大阪市を事例として
1 授産内職とは何か
2 授産事業の歴史
3 大阪市の授産・内職指導事業
4 家内労働との同一性と異質性
第4章 家内労働に関する地方単独事業――大阪府認定内職あっせん事業を中心に
1 就職困難層の家内労働
2 認定内職あっせん事業の概要
3 認定内職あっせん事業の実態
4 認定内職あっせん事業の展望
第5章 授産事業の変遷と京都内職友の会――高度成長期の福祉政策を中心に
1 京都を事例とする理由
2 京都市の授産内職事業
3 京都府の授産内職事業
4 京都と大阪の比較
第6章 安定成長期の内職・家内労働とパートタイム労働
1 安定成長期とは
2 家内労働者と委託者の概況
3 パートタイム労働との比較
4 在宅ワークの動向
5 安定成長期の動向
第7章 平成不況期の内職・家内労働と在宅ワーク――グローバル化と情報化の下で
1 平成不況期の動向
2 家内労働の実態
3 ILO第177号条約
4 在宅ワークの動向
5 在宅ワークの残された課題
第8章 家内労働法の問題点と在宅ワーク
1 家内労働法の改正論議
2 労働基準法との関係
3 家内労働災害への対応
4 最低工賃制度の問題点
5 在宅ワークへの適用問題
主要参考文献
あとがき
索 引
高野 剛[タカノ ツヨシ]
著・文・その他
内容説明
近年、「偽装雇用」という言葉の流行とともに、委託・請負契約で働く人が増加している。なかでも自宅で働く家内労働と在宅ワークは対照的である。本書では、在宅ワークを家内労働の情報サービス化と位置づけて、家内労働の変遷と在宅ワークの法的保護を考察する。戦後日本の内職・家内労働を誰がどのようにして担ってきたのかということと、いかなる変遷をへて脱工業化や情報化の現在に至っているのかを歴史的に考察した研究成果。
目次
序章 内職・家内労働研究の課題と分析視角―在宅ワーク研究の進展のために
第1章 高度成長期の内職・家内労働―大阪府を事例として
第2章 家内労働法制定をめぐる政策論議―高度成長期の日本を中心に
第3章 高度成長期の授産「内職」事業―大阪市を事例として
第4章 家内労働に関する地方単独事業―大阪府認定内あっせん事業を中心に
第5章 授業事業の変遷と京都内職友の会―高度成長期の福祉政策を中心に
第6章 安定成長期の内職・家内労働とパートタイム労働―女性労働者を中心として
第7章 平成不況期の内職・家内労働と在宅ワーク―グローバル化と情報下の下で
第8章 家内労働法の問題点と在宅ワーク
著者等紹介
高野剛[タカノツヨシ]
1978年大阪府生まれ。2001年大阪市立大学経済学部卒業。2006年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程修了。2008年広島国際大学医療福祉学部専任講師。2014年立命館大学経済学部准教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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