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出版社内容情報
その祖先、『西洋事情』の影響、署名著作刊行の経緯… 赤松小三郎「口上書」、山本覚馬「管見」全文も収録。近代日本を代表する言論人・福沢諭吉には、いまだ十分に探られてこなかった重要な来歴がある。すなわち、信州福沢に生まれた先祖がいかにして豊前中津に至ったか、そして『西洋事情』がどのように近代日本の思想界に影響を与えたか、さらに福沢の署名著作がどのような手順で刊行されるに至ったか、である。本書では、それらを知るために不可欠な関係資料の紹介とともに、徹底的に解明する。
はじめに
第一章 福沢諭吉先祖考
1 天保五年夏、福沢百助自家の系図を作成する
2 福沢家系図の概略
3 飯田家系図の提供
4 人物データを整理する
5 福沢家飯田家統合家系図の作成
6 小笠原家分限帳による飯田古右衛門と福沢兵助に関する調査
7 在中津史料による小笠原家改易までの調査
8 初代小笠原長次
9 二代小笠原長勝
10 三代小笠原長胤
11 地獄浜
12 荒瀬井路
13 今一つの問題、信州福沢の所在
14 小平雪人による茅野福沢説の論証
15 天正10年、善徳入道と太郎左衛門、武田家に殉ず
16 では信州福沢とはどこのことなのか
17 信州福沢11カ所めぐり
18 信濃国福沢についての暫定的結論
第二章 『西洋事情』の衝撃と日本人??赤松「口上書」・龍馬「八策」・天皇「誓文」・覚馬「管見」等へ与えた影響
1 赤松小三郎「口上書」は『西洋事情』の日本化
2 嵯峨根良吉「時勢改正」は赤松「口上書」と同一
3 坂本龍馬「船中八策」は偽文書
4 坂本龍馬「新政府綱領八策」は『西洋事情』の抜粋
5 明治天皇「五箇条の誓文」は『西洋事情』の換骨奪胎
6 山本覚馬「書付」は赤松との協同を示唆する
7 太政官「政体書」は『西洋事情』の復古的解釈
8 山本覚馬「管見」は『西洋事情』への応答
9 『西洋事情』の衝撃
第三章 福沢諭吉の「脱亜論」と〈アジア蔑視〉観
1 『時事新報』社説としての「脱亜論」
2 「脱亜論」を書いたのは誰か
3 「脱亜論」批判の不当性
4 「脱亜論」は朝鮮の甲申政変後の情勢を前提に書かれている
5 支那人・朝鮮人とは誰か
6 批判と蔑視の違い
7 「脱亜論」はアジア蔑視ではなく、清国・朝鮮両政府批判である
第四章 福沢諭吉と慰安婦
1 福沢は天皇に娼婦の出稼ぎの指示を与えたか
2 全集への収録状況と文体の判定
3 『福翁百話』と『福澤先生浮世談』での娼婦出稼論
4 慰安婦問題と娼婦出稼論
第五章 武士道・ビジネスマインド・愛国心??福沢諭吉と大西祝の場合
1 福沢と大西における人格と良心
2 福沢と大西にとっての人格
3 福沢と大西にとっての良心
4 福沢と大西にとっての武士道・ビジネスマインド・愛国心
5 福沢と大西の共通点と相違点
第六章 福沢署名著作の原型について
1 『時事新報』社説はいかにして刊行されたか
2 長編論説と原型の関係
3 明治15年刊行の著作
4 明治16年・明治17年刊行の著作
5 明治18年・明治19年刊行の著作
6 明治21年刊行の著作
7 明治25年・明治26年刊行の著作
8 発見された新事実
9 本章の研究史上の意義
文献目録
おわりに??『時事新報』社説研究の現状と安川平山論争の帰趨について
福沢諭吉演説一覧
事項索引
人名索引
平山 洋[ヒラヤマ ヨウ]
著・文・その他
内容説明
近代日本を代表する言論人・福沢諭吉には、いまだ十分に探られてこなかった重要な来歴がある。すなわち、信州福沢に生まれた先祖がいかにして豊前中津に至ったか、そして『西洋事情』がどのように近代日本の思想界に影響を与えたか、さらに福沢の署名著作がどのような手順で刊行されるに至ったか、である。本書では、それらを知るために不可欠な関係資料の紹介とともに、徹底的に解明する。
目次
第1章 福沢諭吉先祖考
第2章 『西洋事情』の衝撃と日本人―赤松「口上書」・龍馬「八策」・天皇「誓文」・覚馬「管見」等へ与えた影響
第3章 福沢諭吉の「脱亜論」と“アジア蔑視”観
第4章 福沢諭吉と慰安婦
第5章 武士道・ビジネスマインド・愛国心―福沢諭吉と大西祝の場合
第6章 福沢署名著作の原型について
著者等紹介
平山洋[ヒラヤマヨウ]
1961年神奈川県生まれ。1986年慶應義塾大学文学部哲学科卒業。1992年東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。1996年ハーバード大学ライシャワー日本学研究所客員研究員。静岡県立大学国際関係学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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