出版社内容情報
権威主義国家における再分配の政治を歴史的に俯瞰し、ポピュリズム型福祉レジームの変容の過程を捉える。
序 章 エジプトの権威主義政権と再分配の政治
第1章 権威主義国家における再分配の政治と政治指導者
1 政治体制と福祉発展
2 新自由主義と福祉改革
3 福祉レジームの長期的変化と分析枠組み
第2章 現代エジプトにおける福祉レジームの発展
1 イギリス保護国期の政治経済構造と社会保障
2 ナセル政権期の国家主導型工業化と福祉拡充
3 サーダート政権期の経済開放政策と福祉拡充
4 七・二三革命と正のフィードバックによる福祉拡充
第3章 正のフィードバックの終焉と福祉レジーム
1 ムバーラク政権期の政治経済構造の変容
2 社会的排除の拡大と福祉レジーム
3 福祉のレジームの経路依存性とその帰結
第4章 ポピュリズム型福祉レジームと食料価格補助制度
1 ナセル政権期の食料価格補助制度の形成
2 サーダート政権期の経済開放と急激な制度拡張
3 ムバーラク政権期の制度改革と制度の継続性
第5章 ポピュリズム型福祉レジームと公的雇用制度
1 社会保障制度としての公的雇用
2 ナセル・サーダート政権期の公的雇用の発展
3 経済自由化と公的雇用制度の頑健性
終 章 エジプト福祉レジームと「アラブの春」
1 エジプト福祉レジームと理論の発展
2 エジプト福祉レジーム研究の課題
3 「アラブの春」以後の再分配の政治
参考文献
あとがき
人名・事項索引
河村有介[カワムラ ユウスケ]
2017年4月現在日本学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員。
内容説明
本書は、権威主義国家であるエジプトの福祉レジームを俯瞰する試みである。イギリス保護国時代からナセル時代を経て、サーダート、ムバーラク時代に至るトップダウン型の福祉の政治を見通す。その上でポピュリズム型の分配による福祉レジームが破綻し、国民の不満が「アラブの春」へとつながった過程を描く。
目次
序章 エジプトの権威主義政権と再分配の政治
第1章 権威主義国家における再分配の政治と政治指導者
第2章 現代エジプトにおける福祉レジームの発展
第3章 正のフィードバックの終焉と福祉レジーム
第4章 ポピュリズム型福祉レジームと食料価格補助制度
第5章 ポピュリズム型福祉レジームと公的雇用制度
終章 エジプト福祉レジームと「アラブの春」
著者等紹介
河村有介[カワムラユウスケ]
1983年名古屋市生まれ。2016年英国ダラム大学政治学国際関係学部中東イスラーム研究所博士課程修了、Ph.D.(Political Science)。京都大学大学院法学研究科特定助教を経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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