内容説明
日本の政治債務は一二〇〇兆円に迫る。この赤字の原因はよく言われる社会保障費の増加や不必要な歳出のためだろうか。本書では、その原因が所得税収を半減させた九〇年代半ば以降の大規模な所得減税政策にあることを明らかにする。そのうえで国内外の経済データ分析により、公正な「所得増税」が社会保障の維持・拡充、格差の縮小を可能とすることを示し、その結果としての家計消費の活発化=内需主導の経済成長の可能性を論じる。
目次
所得増税という選択
第1部 減税政策による財政赤字と財政破綻リスク(財政赤字の原因;財政破綻の可能性と国民生活;「積極的景気対策」の限界)
第2部 公的サービス縮小と国民生活(「小さな政府」の日本;公務員削減と社会保障削減がもたらす隘路)
第3部 所得増税という代替案(所得減税がもたらした格差と経済の停滞;公正な税・社会保障負担と課税ベースの拡大)
著者等紹介
下野恵子[シモノケイコ]
岐阜県に生まれる。名古屋大学経済学部卒業。経済学博士(神戸商科大学、現兵庫県立大学)。名古屋大学経済学部助手、新潟産業大学経済学部講師・助教授、東京経済大学経済学部助教授、名古屋市立大学大学院付属経済研究所教授・所長などを歴任。この間、オーストラリア国立大学、ニューサウスウェルズ大学、マッセイ大学、オックスフォード大学などに客員研究員、客員教授として研究滞在。現在、大阪大学社会経済研究所招へい教授・法政大学大原社会問題研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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