出版社内容情報
国際的な労働規制の可能性を検証する これまで一国内で機能してきた労使関係は、いかにして国境を超えていくのか。世界中に生産工場と開発拠点を持つ大手自動車メーカー。各社は、本国以外の国や地域でいかなる労使関係を築いてきたのだろうか。海外工場で発生した労使紛争に、本社の労使は、どう対応しているのか。本書は、インタビュー調査をもとに、フォルクスワーゲンやダイムラーなどの巨大な多国籍企業で進む国際的な労使関係の実態に迫る。伝統的に強力な労働組合が存在する自動車産業を対象に、グローバル労使関係の可能性を探る一冊。
序 章 国境を越えた労使関係の構築
1 なぜグローバル労使関係が求められるのか?
2 自動車産業におけるグローバル化と労働
3 本書の構成
第1章 グローバル化と労働をめぐる議論
1 はじめに
2 三つの分析枠組み
3 国際労働運動に関する研究
4 労使関係とは
5 グローバル化とは
6 おわりに
7 補論 グローバル化が雇用と労働条件に与える影響:国際経済学の研究
第2章 国際労働基準の到達点
1 はじめに
2 実現されなかった多国籍企業の行動規範
3 自由貿易の拡大と基礎的な労働基準の確立
4 欧州従業員代表制度の導入
5 企業による自主規制の広がり
6 おわりに
第3章 多国籍企業とグローバル・ユニオンの国際協定
1 はじめに
2 GFAとは
3 GFAの内容と適用範囲
4 GFAの実効性
5 国際産別組織の取り組み
6 日本の労働組合の対応
7 おわりに
第4章 欧州で広がるグローバル・ネットワーク
1 はじめに
2 IMF企業別世界協議会の設立
3 新たなグローバル・ネットワークの形成
4 ネットワーク会合の議論
5 海外工場の組織化と現地労組の育成
6 海外事業所で発生した労働問題への関与
7 国際労働協約の萌芽
8 おわりに
第5章 日系労組の国際活動の実態
1 はじめに
2 IMF企業別世界協議会の設立
3 世界協議会の停滞と中断
4 ネットワーク会合の変容と再開
5 海外事業所で発生した労働問題への対応
6 日系労組のグローバル・ネットワークの事例
7 おわりに
第6章 国際的労使関係の状況
1 はじめに
2 労働組合の国際活動
3 使用者にとっての国際的労使関係
4 国際的労使関係における政府の役割
5 おわりに
終 章 グローバル労使関係への道筋
1 本書の要約
2 ルールに基づく競争
3 日本の労働組合について
4 国境を越えた労使関係の進展
5 残された課題
参考文献
あとがき
索 引
首藤 若菜[シュトウ ワカナ]
2017年2月現在 立教大学経済学部准教授。博士(学術)
内容説明
世界中に生産工場と開発拠点を持つ大手自動車メーカー。各社は、本国以外の国や地域でいかなる労使関係を築いてきたのだろうか。海外工場で発生した労使紛争に、本社の労使は、どう対応しているのか。本書は、インタビュー調査をもとに、フォルクスワーゲンやダイムラーなどの巨大な多国籍企業で進む国際的な労使関係の実態に迫る。伝統的に強力な労働組合が存在する自動車産業を対象に、グローバル労使関係の可能性を探る一冊。
目次
序章 国境を越えた労使関係の構築
第1章 グローバル化と労働をめぐる議論
第2章 国際労働基準の到達点
第3章 多国籍企業とグローバル・ユニオンの国際協定
第4章 欧州で広がるグローバル・ネットワーク
第5章 日系労組の国際活動の実態
第6章 国際的労使関係の状況
終章 グローバル労使関係への道筋
著者等紹介
首藤若菜[シュトウワカナ]
1973年東京都に生まれる。2001年日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学。2002年、同研究科より博士(学術)の学位取得。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授を経て、現職。現在、立教大学経済学部准教授。博士(学術)。主著『統合される男女の職場』勁草書房、2003年(第10回社会政策学会奨励賞受賞、第20回沖永賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。