出版社内容情報
出産後、家庭内に留まるか、労働市場に戻るかを選択できる「自由選択」についていかにして国民的合意を作り上げてきたかを丹念に追う本書は、フランスの福祉国家の特徴である家族政策の発展と再編に焦点をあてる。子どもを産みやすく、育てやすい国といわれるフランスは、出産後、家庭内に留まるか、労働市場に戻るかいずれを選択しても不都合にならないように政策を展開している。これまでの研究蓄積が少ないなか、その政策過程での政治対立、財政的問題をいかに乗り越え、国民的合意を作り上げてきたのかを丹念に追う労作。
はしがき
図表一覧/略語一覧
序 章 福祉国家の新たな鍵――困難に立ち向かう家族政策と「自由選択」
1 不安定な社会の家族政策
2 大陸ヨーロッパの転換と家族政策
3 日本の方向性を占う家族政策
4 家族政策の合意形成に向けて
第1章 「自由選択」は何をもたらすのか――対立を超えた福祉政治の可能性
1 「自由選択」とは何か
2 「自由選択」と福祉国家の再編
3 フランス家族政策の「自由選択」
4 合意可能な一致点としての「自由選択」
第2章 「自由選択」の見取り図――ライフスタイル選択の政治
1 福祉国家・ジェンダー・家族政策
2 社会的投資と仕事と家庭の調和
3 家族政策の政策目的集合
4 家族政策の発展と変容
第3章 「自由選択」への助走――フランス家族政策の成立と安定
1 2階建ての現金給付とライフスタイル選択
2 普遍主義的現金給付の成立
3 家族政策の「黄金時代」
4 家族主義からの脱却
第4章 「自由選択」の発展と再編――2階建て現金給付の確立
1 少子化と財政問題
2 「自由選択」の付加
3 「自由選択」アイディアの登場と頓挫
4 真の「自由選択」に向けて乳幼児受け入れ給付
5 2階建て現金給付と「自由選択」
第5章 認定保育ママと働く女性への「自由選択」
1 サービス給付と認定保育ママ
2 認定保育ママの成立とその影響
3 保育所増設の限界と認定保育ママの活用
4 認定保育ママと「仕事と家庭の調和」の結合
5 「自由選択」の基盤としての認定保育ママ
終 章 「自由選択」の意義と課題
1 フランス家族政策の発展と再編
2 「自由選択」の意義
3 「自由選択」の課題
4 フランスの「自由選択」
参考文献
あとがき
巻末資料
索 引
千田 航[チダ ワタル]
著・文・その他
内容説明
本書は、フランスの福祉国家の特徴である家族政策の発展と再編に焦点をあてる。子どもを産みやすく、育てやすい国といわれるフランスは、出産後、家庭内に留まるか、労働市場に戻るかいずれを選択しても不都合にならないように政策を展開している。これまでの研究蓄積が少ないなか、その政策過程での政治対立、財政的問題をいかに乗り越え、国民的合意を作り上げてきたのかを追う労作。
目次
序章 福祉国家の新たな鍵―困難に立ち向かう家族政策と「自由選択」
第1章 「自由選択」は何をもたらすのか―対立を超えた福祉政治の可能性
第2章 「自由選択」の見取り図―ライフスタイル選択の政治
第3章 「自由選択」への助走―フランス家族政策の成立と安定
第4章 「自由選択」の発展と再編―2階建て現金給付の確立
第5章 認定保育ママと働く女性への「自由選択」
終章 「自由選択」の意義と課題
著者等紹介
千田航[チダワタル]
1981年北海道生まれ。2013年北海道大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、釧路公立大学経済学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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