出版社内容情報
人間性を重視した働き方と職場づくりとは。非正規雇用や長時間労働等の問題を踏まえ、日本の労務管理の変容を捉える。バブル崩壊後、日本の経営は「雇用重視」「株主重視」に揺れ、経団連報告書「新時代の『日本的経営』」以降は、雇用形態の多様化、成果主義など米国流の人的資源管理の流れが強まった。リーマン・ショック以後は、派遣、非正規雇用の問題が顕在化し、日本の労務管理の変容は複雑な様相を呈している。本書はそうした課題の根幹にある理論の流れを後付け、再検証を行いながら、人間性重視の観点から解決方途と今後の行方を展望する。
はしがき
第1章 管理問題の発生と展開(谷本 啓)
1 資本主義社会における企業の利潤追求
2 協業と分業
3 労働力の発現における不確実性
4 接客労働と感情労働
5 資本循環における不確実性の排除
第2章 管理の構造と発展(谷本 啓)
1 科学的管理法と管理の諸原則
2 管理的活動の分離
3 管理者の職能と管理過程
4 管理者の役割と仕事の多様性
第3章 ヒトの管理をめぐる変遷(橋場俊展)
??日米比較を通して
1 「日本的経営」と伝統的な日本型人事労務管理
2 「アメリカ的経営」と伝統的なアメリカ型人事労務管理
3 「人的資源管理」言説の台頭と日本型人事労務管理の部分的移入
4 日本型人事労務管理の動揺とアメリカ的経営の再評価
第4章 人的資源管理としての日本型雇用とその変容(澤田 幹)
1 「三種の神器」と日本型雇用管理
2 日本型雇用モデルの変容:非正規雇用の拡大と多様化
3 人材ポートフォリオと「雇用の境界」
4 日本型雇用管理変容の実態とその矛盾
5 戦略適合的な雇用管理とは
6 補論:「多様な正社員」あるいは「限定正社員」をめぐって
第5章 企業内教育訓練・能力開発の課題(澤田 幹)
??キャリア形成支援との関連から
1 日本型雇用管理のもとでの教育訓練,能力開発
2 エンプロイアビリティと「自立的能力開発」論
3 能力開発の現状と「格差」問題
4 自立的キャリア形成への道
第6章 労働時間管理の変化と働く者のニーズ(山本大造)
1 「時短」「労働者のニーズ」を名目にした規制緩和政策と諸制度
2 日本の労働時間の現状
3 なぜ労働時間が長いのか
4 労働時間管理とマネジメント
5 人的資源管理のためのインプリケーション
第7章 賃金管理と処遇問題(橋場俊展)
1 賃金と賃金管理
2 賃金をめぐるルールと労使慣行
3 賃金体系・賃金制度の変遷
4 賃金をめぐる諸問題と解決の方向
第8章 多様な紛争解決システムと労働組合(山本大造)
1 人的資源管理の人材戦略と労使関係の捉え方
2 日本の労使関係の現状と個別労働紛争
3 集団的労使関係における紛争解決システム
4 多様な紛争解決システム
5 労働組合の課題:なぜ組合離れが止まらないのか
6 人的資源管理のためのインプリケーション
終 章 日本型人的資源管理の行方(澤田 幹)
1 「ブラック企業」と日本型人的資源管理
2 「戦略適合性」への疑問
3 人間重視への道
索 引
澤田 幹[サワダ ミキ]
著・文・その他
谷本 啓[タニモト アキラ]
著・文・その他
橋場 俊展[ハシバ トシノブ]
著・文・その他
山本 大造[ヤマモト ダイゾウ]
著・文・その他
内容説明
バブル崩壊後、日本の経営は「雇用重視」「株主重視」に揺れ、日経連(当時)報告書「新時代の『日本的経営』」以降は、雇用形態の多様化、成果主義など米国流の人的資源管理の流れが強まった。リーマン・ショック以後は、派遣、非正規雇用の問題が顕在化し、日本の労務管理の変容は複雑な様相を呈している。本書はそうした課題の根幹にある理論の流れを再検証し、人間性重視の観点からその解決方途と今後の行方を展望する。
目次
第1章 管理問題の発生と展開
第2章 管理の構造と発展
第3章 ヒトの管理をめぐる変遷―日米比較を通して
第4章 人的資源管理としての日本型雇用とその変容
第5章 企業内教育訓練・能力開発の課題―キャリア形成支援との関連から
第6章 労働時間管理の変化と働く者のニーズ
第7章 賃金管理と処遇問題
第8章 多様な紛争解決システムと労働組合
終章 日本型人的資源管理の行方
著者等紹介
澤田幹[サワダミキ]
1959年生まれ。滋賀大学経済学部経営学科卒業、滋賀大学大学院経済学研究科修士課程修了、同志社大学大学院商学研究科博士課程(後期課程)中退、金沢大学経済学部講師、同大学助教授、同大学教授を経て、金沢大学人間社会研究域経済学経営学系教授(経済学類担当)
谷本啓[タニモトアキラ]
1971年生まれ。同志社大学商学部卒業、同志社大学大学院商学研究科博士課程(前期課程)修了、同志社大学大学院商学研究科博士課程(後期課程)中退、同志社大学商学部専任講師、同大学助教授を経て、同志社大学商学部准教授
橋場俊展[ハシバトシノブ]
1971年生まれ。同志社大学商学部卒業、同志社大学大学院商学研究科博士課程(前期課程)修了、同志社大学大学院商学研究科博士課程(後期課程)中退、北海学園北見短期大学専任講師、北海学園北見大学商学部専任講師、三重大学人文学部助教授、名城大学経営学部准教授を経て、名城大学経営学部教授
山本大造[ヤマモトダイゾウ]
1968年生まれ。松山大学経営学部卒業、松山大学大学院経営学研究科修士課程修了、同志社大学大学院商学研究科博士課程(後期課程)中退、愛知大学経営学部専任講師、同大学助教授を経て、愛知大学経営学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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