出版社内容情報
常に変動する社会を〈複雑系〉の一つとしてとらえ、そこでの創造的行為に着目し、実践哲学のパラダイムを転換する内に混沌を蔵している〈動く社会〉の倫理を考え、新たな倫理学を構築する。生成変化する社会では、われわれの行為の意味や価値も目まぐるしく変動する。われわれの行為は、変化する状況とともに変わり、また、状況を変化させてもいくことができるのである。生成の中で行為を考え、行為の中で生成を考えながら、その叙述の過程に東西の倫理思想を位置づけ、行為の意味と価値を考察する〈動態倫理学〉の展開。
プロローグ 動く倫理学のために
第一部 生成する社会
第一章 連関と生成
1 人間と関係
2 生成する社会
3 相互連関性と生成
第二章 混沌と秩序
1 混沌と秩序の交差
2 混沌と生成
第三章 複雑系としての社会
1 相互作用からの自己形成
2 環境との相互作
3 自己言及と生成
4 偶然から不可逆まで
第二部 生成と行為
第四章 行為と関係
1 行為の意味
2 表 現
3 理 解
4 相互行為
第五章 行為と状況
1 行為の実際
2 行為と状況
3 易の思想
第六章 行為と歴史
1 行為と形成
2 知と行
第三部 生成と価値
第七章 変動する価値
1 相互連関性と価値
2 価値の相対性
第八章 徳の諸相
1 信頼と非信頼
2 思慮と勇気
第九章 決断と良心
1 状況と行為
2 義務と適切性
3 良心論の深み
4 行為の責任
第十章 創造倫理
1 英雄の徳
2 立法者としての英雄
3 天才と創造
エピローグ 生成と行為について
註
あとがき
付 論
無常の倫理
日本のモラル・エナージー
現代社会と道徳教育
後 記
小林 道憲[コバヤシ ミチノリ]
元 福井大学教授
内容説明
常に変動する社会を“複雑系”の一つとしてとらえ、そこでの創造的行為に着目し、実践哲学のパラダイムを転換する。
目次
第1部 生成する社会(連関と生成;混沌と秩序;複雑系としての社会)
第2部 生成と行為(行為と関係;行為と状況;行為と歴史)
第3部 生成と価値(変動する価値;徳の諸相;決断と良心;創造倫理)
付論
著者等紹介
小林道憲[コバヤシミチノリ]
1944年福井県生まれ。1963年~1972年京都大学文学部、同大学大学院文学研究科で哲学(西洋哲学史)を専攻。1972年~2010年福井大学教育学部(後・教育地域科学部)講師、助教授、教授、および、同大学大学院教育学研究科教授。1999年~2011年麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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