出版社内容情報
目指せ! 寛解 患者の「日常」を取り戻すべく謎の病を三人のリウマチ専門医が語る関節リウマチとは、免疫機能の異常によって関節の軟骨と骨が破壊される病気である。本書は関節リウマチの病の仕組みを解読し、寛解(かんかい)という極めて治癒に近い状態に持ってゆくために、医師は何をするべきか、患者はどうあるべきかを探った書である。リウマチによって奪われた患者の「日常」を取り戻すべく、現役の三人の「リウマチ専門医」が書く、暴走する病「リウマチ」への挑戦状でもある。
序 章 関節リウマチの始まり
コラム 関節リウマチは新しい病気か
第一章 関節リウマチとはどのような疾患か
1 関節リウマチの病態──全身性炎症疾患
2 関節リウマチは遺伝するのか──白血球がポイント
3 関節リウマチのリスク因子──喫煙・肥満・歯周病・ストレス・女性であること
4 関節リウマチの発症メカニズム──滑膜の炎症から始まる
コラム メンデルと研究不正
コラム 血液の成分はなにか
第二章 関節リウマチの特徴
1 関節リウマチによくみる症状──痛みのメカニズム
2 関節リウマチはなぜ発症し、どのような経過を辿るのか──エピジェネティクス
3 関節リウマチは一つの病気なのか──病気のタイプ
コラム スコットランドのワディントン
コラム 天気と病状
第三章 関節リウマチと似た病気
1 診断はどのように行われるのか──関節リウマチの抽出
2 変形性関節症──リウマチとの接点
3 膠原病──膠原病の犯人は誰か
4 その他の鑑別すべき関節炎──もしリウマチと診断していたら
コラム 疫学研究とはなにか
第四章 罹患しやすい関節とその特徴
1 小関節は関節リウマチを特徴付ける──「手外科医」からの出発、「リウマチ」がみえる
2 大関節のインパクト──手術で生活を変える、生活が変わると人生が変わる
3 関節リウマチにおける脊椎疾患――首が痛い
コラム 内科と外科の相違
第五章 病気の評価法と治療目標
1 どのように病気を評価するのか──患者の主観を含めた総合的評価
2 なにを目標として治療するのか──臨床的寛解を目指して
3 関節リウマチにおける合併症──関節外病変、生命予後に関わる病気
コラム 寛解と治癒
第六章 薬による治療
1 関節リウマチの薬物治療の歴史──アスピリンから始まった
2 合成抗リウマチ薬──低分子化合物、アンカードラッグ
3 非ステロイド性消炎鎮痛薬およびステロイド薬──「痛み止め」と抗炎症効果
4 生物学的製剤──「生物が作る薬」とJAK阻害薬
5 どの薬を選ぶのか──一生付き合う薬だから
コラム 薬剤部は医療安全の旗頭
コラム アメリカの医療状況
第七章 局所療法
1 局所療法とは──「指が曲がってきました」
2 リハビリテーションとはどんなことをするのか──作業療法と理学療法
3 装具療法によってできること──暮らしをサポートする
4 関節注射の意味──ステロイドとヒアルロン酸
コラム リウマチ治療における看護ケア
第八章 手術治療
1 手術治療はどのような時に考えるのか──「関節破壊」の有無
2 手術治療にはどのような方法があるのか──人工関節、関節固定、滑膜切除など
3 手術と他の治療との関係──手術の後の薬物療法
コラム 上肢人工関節の歴史と種類
コラム 下肢人工関節の歴史と種類
終 章 エディンバラ再訪、リウマチはどこから来たのか
主要参考文献
索 引
伊藤 宣[イトウ ヒロム]
2016年8月現在京都大学大学院医学研究科整形外科准教授
西田 圭一郎[ニシダ ケイイチロウ]
2016年8月現在岡山大学大学院医歯薬学総合研究科人体構成学分野准教授
布留 守敏[フル モリトシ]
2016年8月現在京都大学大学院医学研究科リウマチ性疾患制御学講座助教
内容説明
目指せ!寛解。患者の「日常」を取り戻すべく謎の病を三人のリウマチ専門医が語る。
目次
序章 関節リウマチの始まり
第1章 関節リウマチとはどのような疾患か
第2章 関節リウマチの特徴
第3章 関節リウマチと似た病気
第4章 罹患しやすい関節とその特徴
第5章 病気の評価法と治療目標
第6章 薬による治療
第7章 局所療法
第8章 手術治療
終章 エディンバラ再訪、リウマチはどこから来たのか
著者等紹介
伊藤宣[イトウヒロム]
京都大学大学院医学研究科整形外科准教授。1964年、静岡県生まれ。静岡県立磐田南高等学校卒業。1990年、京都大学医学部卒業。2001年、京都大学大学院医学研究科博士課程(外科学専攻)修了。2013年より現職。専門は関節リウマチ、変形性関節症、足の外科など、全身の関節疾患を扱う
西田圭一郎[ニシダケイイチロウ]
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科人体構成学分野准教授。1965年、高知県生まれ。土佐高等学校卒業。1991年、岡山大学医学部卒業。1995年、岡山大学大学院医学研究科博士課程修了。2004年より現職。岡山大学病院運動器疼痛性疾患治療研究センター長併任。東京医科大学未来医学研究寄付講座客員教授。専門は関節リウマチ、関節外科学、上肢の外科
布留守敏[フルモリトシ]
京都大学大学院医学研究科リウマチ性疾患制御学講座助教。1973年、滋賀県甲賀郡生まれ。秀明学園秀明高等学校卒業。1998年、関西医科大学医学部卒業。2009年、京都大学大学院医学研究科修了。2011年より現職。専門は整形外科(関節手術、人工関節など)と関節リウマチなどのリウマチ性疾患(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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