文化経済学―軌跡と展望

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  • サイズ A5判/ページ数 381p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623076888
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C3033

出版社内容情報

日本で独自の発展を遂げた文化経済学の歩みをレビューし、研究の概要を把握できるようまとめた本書は、文化経済学会〈日本〉が2012年に20周年を迎えたことを記念し、日本で独自の発展を遂げた文化経済学の歩みをレビューし、研究の概要を把握できるようにしたものである。文化経済、文化政策、コンテンツ産業、財政学など関連分野の研究や、実務で文化政策に関わる際にも役立つ一冊である。

はじめに??文化経済学の発展を振り返る



 第?部 文化経済学の基本的課題

第1章 参加・鑑賞(勝浦正樹・有馬昌宏)

 1 文化経済学における参加・鑑賞に関する研究の位置づけ

 2 参加・鑑賞に関する先行研究

 3 参加・鑑賞に関するデータ

 4 参加・鑑賞に影響を与える要因



第2章 需要・選好(阪本 崇)

 1 芸術・文化の需要と選好の変化

 2 家計生産モデルと時間の費用

 3 選好の変化と学習効果

 4 政策論的含意



第3章 芸術家とクリエイターの労働市場(八木 匡)

 1 コンテンツ産業の重要性

 2 芸術家の労働市場の特徴

 3 芸術家の収入源

 4 家元制度における所得源泉と舞台の質

 5 コンテンツ産業集積都市の労働市場

 6 コンテンツ産業の発展に向けて



第4章 文化の財政(片山泰輔)

 1 文化の財政を分析する視点

 2 ヨーロッパ

 3 アメリカ

 4 今後の課題



第5章 芸術・文化への税制による支援(後藤和子)

 1 見落されてきた文化税制

 2 文化へのタックス・インセンティブ研究

 3 税制による文化支援の類型

 4 日本での展望



 第?部 文化芸術分野

第6章 舞台芸術と劇場(清水裕之)

 1 『文化経済学』における舞台芸術と劇場関連研究の抽出

 2 舞台芸術と劇場関連研究の包括的な傾向

 3 舞台芸術施設(劇場等)の研究動向

 4 これからの研究課題と展望



第7章 ミュージアム(佐々木亨)

 1 対象範囲と視点

 2 博物館政策・法令の動向

 3 ミュージアムが持つ多様な価値

 4 深化する経営手法

 5 ミュージアムと社会との係わり



第8章 伝統芸能(山田太門・高島知佐子)

 1 日本伝統芸能の独自性

 2 日本伝統芸能の継承の仕組み

 3 日本の伝統芸能の課題



第9章 伝統工芸(高島知佐子・山田太門)

 1 日本の伝統工芸の意義

 2 日本の伝統工芸の現状

 3 日本の伝統工芸と文化経済学



第10章 文化遺産・遺跡(澤村 明)

 1 文化遺産の定義

 2 国際的な研究動向と日本の研究概要

 3 日本の文化遺産研究論文

 4 文化遺産の保全に向けて



第11章 アートプロジェクト(熊倉純子・長津結一郎)

 1 アートプロジェクトと文化経済学

 2 アートとソーシャル・キャピタル

 3 芸術論からの批判と民俗学的アプローチ

 4 アートプロジェクトと批評



第12章 現代美術(加須屋明子)

 1 美術をめぐる状況

 2 芸術家の現状と支援策

 3 芸術作品の評価と価値

 4 アートマーケット、地域のアートプロジェクト

 5 問題点と展望



第13章 クリエイティブ産業(後藤和子・増渕敏之)

 1 クリエイティブ産業とは何か

 2 クリエイティブ産業の理論

 3 クリエイティブ産業に関する日本の研究

 4 クリエイティブ産業に関するその他の領域の研究

 5 今後の研究に期待されるもの



 第?部 都市・地域への展開

第14章 創造都市(佐々木雅幸)

 1 創造経済時代の都市

 2 創造都市論の台頭

 3 創造都市論の系譜と「創造の場」

 4 今後の課題



第15章 まちづくり(勝又晃衣・勝又英明)

 1 文化とまちづくりとは

 2 調査方法の動向

 3 文化資源の動向

 4 経済分析の動向

 5 「コミュニティ・市民グループ・NPO」の動向

 6 今後の課題



第16章 観光と地域文化(井口 貢)

 1 観光の研究を志向する若い人たちのために

 2 地域観光のディレンマ

 3 コンテンツ・ツーリズムとクールジャパン

 4 日本人による日本のための真の観光学のために



 第?部 支援・政策・運営

第17章 文化政策・文化行政(小林真理)

 1 文化経済学と文化政策の実践

 2 地方自治体における文化行政論の展開と実務上の混乱

 3 公共政策としての文化政策



第18章 企業メセナ(河島伸子)

 1 企業メセナの概観

 2 企業メセナの勃興と発展

 3 2000年代以降の発展

 4 企業メセナに関する研究蓄積

 5 今後の課題??企業メセナと文化経済学



第19章 アートマネジメント(伊藤裕夫)

 1 文化経済学とアートマネジメント

 2 啓蒙期における研究の振り返り

 3 アートマネジメント「学」の試み

 4 今後の課題??アートマネジメント「研究」に向けて



第20章 人材育成(新藤浩伸)

 1 「人材育成」研究の背景と目的

 2 「人材育成」のレトリック

 3 文化経済学における「人材育成」研究の蓄積

 4 課題と展望



第21章 アウトリーチ(吉本光宏)

 1 アウトリーチ研究と一般財団法人地域創造の取り組み

 2 文化施設運営とアウトリーチ

 3 アートと教育をつなぐNPO

 4 アウトリーチの教育的な効果

 5 芸術の社会的な価値を拡張したアウトリーチ



 第?部 多様な学術分野との連携

第22章 社会学からのアプローチ(友岡邦之)

 1 文化経済学と社会学の関係

 2 文化の供給/需要構造

 3 文化の社会的価値

 4 文化の政治的価値



第23章 経済思想史からのアプローチ(木村雄一)

 1 文化経済学における経済思想史の研究動向

 2 文化経済学の巨人たちの研究

 3 文化経済学における経済思想研究の意義



第24章 美学・芸術学からのアプローチ(美山良夫)

 1 美学・芸術学の立場

 2 美学・芸術学とアート・マネジメント??慶應義塾における位置づけ

 3 芸術研究、芸術史における学術的「危機」の顕在化

 4 アート・マネジメント講座と芸術学、芸術史学研究における「再接合」

 5 美学・芸術学の「危機」と文化経済学



索  引

文化経済学会〈日本〉[ブンカケイザイガッカイニホン]

内容説明

日本における独自の展開を概観する。わが国の文化経済学研究はいかなる発展を遂げてきたか。多彩な学術アプローチと重要なトピックの論点を整理する。

目次

第1部 文化経済学の基本的課題(参加・鑑賞;需要・選好 ほか)
第2部 文化芸術分野(舞台芸術と劇場;ミュージアム ほか)
第3部 都市・地域への展開(創造都市;まちづくり ほか)
第4部 支援・政策・運営(文化政策・文化行政;企業メセナ ほか)
第5部 多様な学術分野との連携(社会学からのアプローチ;経済思想史からのアプローチ ほか)

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