ソーシャルインパクト・ボンドとは何か―ファイナンスによる社会イノベーションの可能性

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  • サイズ A5判/ページ数 324p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623076703
  • NDC分類 338.15
  • Cコード C3033

出版社内容情報

投資家、NPO、政府が連携し、各々のメリットを活かして社会的課題の解決をめざす投資のスキームがついに登場。様々な取り組むべき社会的課題が存在する今日、その解決には、時として政府の財政支出のみに頼るよりも、民間投資家の資金をインパクト志向の高いNPO等の社会サービスに投資した方が効果的なこともある。本書は、そのための新たな手法であるソーシャルインパクト・ボンド(SIB)を本格的に解説するものである。投資が成功して課題が改善された場合、投資家へのリターン(成功報酬)を政府が負担するという新たなメカニズムについて、世界各地での動向を解説、その可能性と課題に迫る。

はしがき



序 章 ソーシャルインパクト・ボンドの社会的意義(塚本一郎)

 1 なぜソーシャルインパクト・ボンドに注目するのか

 2 社会的インパクトへの投資と公共サービス・イノベーション

 3 本書の構成



 第?部 インパクトインベストメントとしてのソーシャルインパクト・ボンド

第1章 社会貢献債券とインパクトインベストメント(関 正雄)

 1 インパクトインベストメントの認知と加速(G8フォーラム)

 2 サステナブル投資とインパクトインベストメント

 3 具体的商品としての社会貢献債券

 4 SDGs採択を機に、スケールアップが期待される社会貢献債券

 5 社会貢献債券の課題と展望



第2章 ソーシャルインパクト・ボンドとは何か(塚本一郎・西村万里子)

 1 ソーシャルインパクト・ボンドへの期待の背景

 2 SIBの性格

 3 SIBの基本枠組みと多様性

 4 SIBの事例――T&Tイノベーション・プログラム

 5 考察――パフォーマンス・マネジメントの重要性



第3章 PFIとソーシャルインパクト・ボンド(高木麻美)

 1 広義のPPPにおけるPFIとSIB

 2 PFIとの比較におけるSIBの特徴

 3 PFIにおける課題とSIB実施にあたっての示唆



 第?部 SIBの世界的動向

第4章 ソーシャルインパクト・ボンド推進における政府・中間支援組織・投資家の役割(金子郁容)

 1 SIBのステークホールダー

 2 それぞれのステークホールダーの観点とモチベーション

 3 英国政府SIB担当Kieron Boyle氏による説得力のある分析

 4 世界的投資会社による社会的インパクト投資

 5 サービスプロバイダーから見た社会的投資の現場――St. Mungo’s Broadway

 6 SIBの経験豊かなコンサルティングの立場からの意見――OPM

 7 ファイナンスによってソーシャルインパクトをもたらす既存組織



第5章 ロンドン・ホームレスSIBプロジェクト(吉岡貴之)

 1 本章の構成

 2 ロンドンのホームレス問題とホームレス支援サービス

 3 SIBを活用した新たなホームレス支援サービスの開発

 4 SIB活用した新たなホームレス支援サービスの委託

 5 ストリートインパクト及びテムズリーチエース・プロジェクトの進捗状況

 6 SMBに対するインタビュー調査により得られた知見

 7 ロンドン・ホームレスSIBプロジェクトからの教訓



第6章 医療・健康分野におけるSIBプロジェクト――Ways to Wellnessの事例から(遠藤知子)

 1 キャメロン政権による公共サービス政策の背景とNHS改革

 2 健康と医療における予防的介入

 3 Ways to Wellness SIB

 4 健康格差と自己責任



第7章 ニューヨーク市ライカーズ島SIBの事例(森 利博)

 1 ライカーズ島SIBプロジェクト導入の背景

 2 プロジェクト参加者

 3 アウトカムの評価

 4 プロジェクトの評価と今後の展望



第8章 ユタ州プリスクールサービスSIBプロジェクト(吉岡貴之)

 1 本章の構成

 2 ユタ州における早期幼児教育問題とプリスクールプログラムへの取り組み

 3 グラニット学校区プリスクールプログラムに関する長期的調査

 4 SIBを活用したユタ州プリスクールサービス・プロジェクトの開発

 5 プリスクールサービスSIBプロジェクトの進捗状況

 6 ユタ州プリスクールサービスSIBプロジェクトからの教訓



第9章 ニューヨーク州雇用促進・再犯防止SIBプロジェクト(吉岡貴之)

 1 本章の構成

 2 ニューヨーク州における再犯問題とワーク・フォー・サクセス・イニシアチブ

 3 SIBを活用した雇用促進・再犯防止プロジェクトの開発

 4 雇用促進・再犯防止SIBプロジェクトのアウトカム指標と支払い額の設定

 5 無作為化比較試験を用いたアウトカム測定と評価、検証

 6 アメリカとイギリスのSIBで用いられる評価手法の違い



 第?部 SIB導入に向けた課題

第10章 SIB推進におけるNPO・社会的企業の可能性と課題(今村 肇)

 1 SIBをきっかけにNPO・社会的企業とそれをとりまく環境のあり方を見直す

 2 SIBの登場がNPO・社会的企業にもたらす評価のインパクト

 3 アメリカの文脈におけるSIBとNPO・社会的企業

 4 NPO・社会的企業をめぐる国家による文脈の違いと日本への適用可能性



第11章 ソーシャルインパクト・ボンドにおけるインパクト評価(馬場英朗)

 1 インパクト評価への関心の高まり

 2 インパクト評価の標準化への試み

 3 SIBのインパクト評価

 4 インパクト評価の可能性と課題



事例編

 1 英国内閣府SIBセンター/英国内閣府社会的投資・金融チーム(吉岡貴之)

 2 ビッグソサエティ・キャピタル(関 正雄)

 3 ブリッジズ・ベンチャーズ(森 利博)

 4 イッツ・オール・アバウト・ミー(吉岡貴之)

 5 ハーバード大学ケネディスクール・ガバメントパフォーマンスラボ(吉岡貴之)



索  引

塚本 一郎[ツカモト イチロウ]
2016年11月現在明治大学経営学部教授。

金子 郁容[カネコ イクヨウ]
2016年11月現在現在,明治大学経営学部特任講師,慶應義塾大学名誉教授

内容説明

社会課題を解決する投資の新たなかたち。投資家、NPO、政府が連携し、各々のメリットを活かして社会的課題の解決をめざす投資のスキームがついに登場。投資が成功して課題が改善された場合、投資家へのリターン(成功報酬)を政府が負担するという新たなメカニズムについて、世界各地での動向を解説、その可能性と課題に迫る。

目次

ソーシャルインパクト・ボンドの社会的意義
第1部 インパクトインベストメントとしてのソーシャルインパクト・ボンド(社会貢献債券とインパクトインベストメント;ソーシャルインパクト・ボンドとは何か;PFIとソーシャルインパクト・ボンド)
第2部 SIBの世界的動向(ソーシャルインパクト・ボンド推進における政府・中間支援組織・投資家の役割;ロンドン・ホームレスSIBプロジェクト;医療・健康分野におけるSIBプロジェクト―Ways to Wellnessの事例から;ニューヨーク市ライカーズ島SIBの事例;ユタ州プリスクールサービスSIBプロジェクト;ニューヨーク州雇用促進・再犯防止SIBプロジェクト)
第3部 SIB導入に向けた課題(SIB推進におけるNPO・社会的企業の可能性と課題;ソーシャルインパクト・ボンドにおけるインパクト評価)
事例編(英国内閣府SIBセンター/英国内閣府社会的投資・金融チーム;ビッグソサエティ・キャピタル;ブリッジズ・ベンチャーズ;イッツ・オール・アバウト・ミー;ハーバード大学ケネディスクール・ガバメントパフォーマンスラボ)

著者等紹介

塚本一郎[ツカモトイチロウ]
一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。佐賀大学経済学部助教授等を経て、明治大学経営学部教授

金子郁容[カネコイクヨウ]
スタンフォード大学Ph.D.、ウィスコンシン大学計算機学科准教授、一橋大学商学部教授、慶應義塾大学総合政策学部教授等を経て、明治大学経営学部特任講師、慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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