内容説明
ムッソリーニのファシズム体制下にできた「バリッラ」と呼ばれる少国民の養成組織、また小学校の国定教科書は、小さなファシストを創り出す「武器」として利用されるようになった。本書は、当時のイタリアにおいて少国民がいかに形成されたかを解き明かす。イタリアの子どもたちが使用した書き込み・落書きのある教科書を通じて国家が軍国・愛国少年少女を創り出すプロセスを分析したものである。
目次
序章 近現代イタリアの国民形成
第1章 「イタリア」誕生と初等教育
第2章 本格化する少国民形成
第3章 帝国主義時代の少国民形成
第4章 ジョリッティ時代の教育改革
第5章 教科書に見る第一次世界大戦
第6章 ムッソリーニが「最もファシスト的」と称賛した教育改革
第7章 「バリッラ」による少国民形成
第8章 少国民を創る国定教科書
第9章 ファシズム思想が充満した国定教科書
第10章 「バリッラ」員だったお爺さんと、それを拒否したお婆さんの話
著者等紹介
藤澤房俊[フジサワフサトシ]
1943年東京に生まれる。1976年早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。現在、東京経済大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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