内容説明
シャーロット、エミリ、アンのブロンテ三姉妹は、ヴィクトリア朝時代に登場した英国作家であり、代表作『ジェイン・エア』『嵐が丘』などはいまもなお読み継がれ、本国イギリスのみならず日本でも高い人気を誇る。本書は実在と虚構とを問わず、姉妹の人生を横切った多彩な男たちを取りあげ、新しい角度から伝記や作品を読み直す野心的な試みである。時間と場所の隔たりを超えて、ブロンテ姉妹の生きざまを追い求めたユニークな書。
目次
第1部 姉妹を取りまく男たち(パトリック・ブロンテ―「厳格な父」の神話;ブランウェル・ブロンテ―一家の希望の星、あるいは敗北者;コンスタンタン・エジェ―妻子あるカリスマ教師;スミス・エルダー社主ジョージ・スミス―出版界の貴公子;アーサー・ベル・ニコルズ―シャーロットの大切な「いい人」;G・H・ルイス―「尊敬の念」と「悔しさ」と;W・M・サッカレー―自伝性と匿名性をめぐって)
第2部 作品に息づく男たち(チャールズ・ウェルズリー『習作』―うら若き作家のアイデンティティ;エドワード・ロチェスター『ジェイン・エア』―(再)形成されてきた魅惑的人物
シン・ジョン・リヴァーズ『ジェイン・エア』―ミッショナリーの欲望の深層
ヒースクリフ『嵐が丘』―その「男」を考える
エドガー・リントン『嵐が丘』―書斎の紳士
ヒンドリー・アーンショー『嵐が丘』―内なるアウトサイダー
ポール・エマニュエル『ヴィレット』―第三の「ロマンティック・ヒーロー」
アーサー・ハンティンドン『ワイルドフェル館の住人』―英国紳士の言い分)
著者等紹介
岩上はる子[イワカミハルコ]
滋賀大学教育学部教授
惣谷美智子[ソウヤミチコ]
神戸海星女子学院大学現代人間学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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