出版社内容情報
国を歌い、共同性を詠んだ歌聖。歌に込められた時代の意志とは。
内容説明
柿本人麿(六六〇年頃~八世紀前半頃)歌人。『万葉集』に長歌一九首、短歌六九首を残す柿本人麿。三十六歌仙の一人として、多くの伝説が後世に語り継がれているが、歌・伝承・信仰という三つの角度から、時代や社会が憑依した存在としての人麿を鮮やかに描き出す。
目次
序章 人麿を読み解くために
第1章 人麿をめぐる史料
第2章 儀式歌の歌人
第3章 旅の歌
第4章 人麿と物語
第5章 「柿本朝臣人麿歌集」とは何か
第6章 伝承の歌人
第7章 人麿信仰
著者等紹介
古橋信孝[フルハシノブヨシ]
1943年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻課程修了。文学博士。現在、武蔵大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinaba
0
よくわからない2019/03/13
鈴木貴博
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柿本人麻呂。万葉集に長歌十九首、短歌六十九首を残す。古今和歌集仮名序で”歌の聖”とされるが、伝記は全く伝わっておらず、作品そのものと題詞くらいが直接的な史料のほぼ全てとなる。そのような中、人麻呂を求めた時代や社会、人麻呂が属したと思われる集団、後世の信仰、伝承などから人麻呂に近づくことを試みる本書。基礎となる史料の少なさはやはり如何ともしがたいところがあるが、人麻呂の巨大な謎に興味が尽きないところである。以前”水底の歌”(本書の著者は批判的だが)を読んで巡った石見、更に知見を得てまた訪れてみたい。2018/02/04