内容説明
昨今、日本の農業をめぐっては高齢化や過疎化にともなう農業の担い手不足や農業生産の減少をはじめ、さまざまな問題に直面している。このような日本農業の立て直しを考えるために、いま必要な思想とはなにか。本書は、安藤昌益、二宮尊徳、内村鑑三、新渡戸稲造の生涯をたどり、彼らが農村や農業にどのような影響を与えたかを検討するとともに、その思想が現代にもつ意義を考える。
目次
第1章 グローバル化のなかの農業思想―内村鑑三と新渡戸稲造(グローバル化とは;国家と農業観 ほか)
第2章 二宮尊徳思想の現代的意義―幕末期の農村復興に学ぶ(なぜ二宮尊徳か;百姓の存在 ほか)
第3章 中国における尊徳研究の動向と可能性―二宮尊徳思想学術大会の取り組みを中心に(中国における尊徳研究の経緯;研究の展開と意義 ほか)
第4章 安藤昌益の人と思想―直耕・互性・自然(甦る安藤昌益;昌益思想誕生の八戸 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
47
農業は生産活動の前に文化的な営みである(ⅱ頁)。並松教授によると、内村鑑三と新渡戸稲造の著書共通点として、宗教=キリスト教、学問=農政学で欧米の影響を受け、独特の国家観をもった国際人の視点をもって書かれた点(6頁)。内村が尊徳を評価するのは経済改革に道徳力を応用したこと(28頁)。内村は社会改革する際に、個人の倫理改革なしに期待できないとする。個人の良心から社会へと広げる改革法は、遠心的改良法と称した。社会改革のためには、一人ひとりが志をもって真面目な生涯を送り、生き方を後世に遺せばよい(28頁~)。2016/09/27
かーんたや
1
安藤昌益読んで、自分がなぜ職業研究者や職業芸術家、職業スポール選手らに反感持つのかわかった。不耕貪食の徒に見えるからだった。2019/10/07