内容説明
本書は、中近世ヨーロッパに特徴的なコミュニケーションのありようを、個人や集団間のダイナミックなインタラクションとして見る。取り扱う年代・地域とも多岐にわたるが、繰り返される紛争と合意・平和のための相互関係のプロセスが、政治・経済・宗教など多様な領域における秩序にとって不可欠であったことを示す。
目次
コミュニケーションから歴史を読み解くこと
第1部 移動する君主と宮廷、あるいは首都の伝統(宮廷集会の内と外―フリードリヒ・バルバロッサ即位初年の事例より;ウィリアム征服王と息子たち―宮廷集会と証書発給にうかぶ家族の秩序 ほか)
第2部 地域の紛争解決と政治的統合(王子エドワードの対ボルドー政策、一二五四~六一年―領有者プランタジネット家と都市コミューンのコミュニケーション;ロプト・ヘルガソンの「反逆」―一三世後半アイスランド社会とノルウェー王権 ほか)
第3部 都市のアイデンティティと都市間コミュニケーション(都市景観が映す支配の歴史―ボローニャの場合;交易にはポー川を通るべし―ヴェネツィアと内陸近隣諸都市の争い・秩序 ほか)
第4部 教会のあるべき秩序をめぐって(彷徨える異端者たちの足跡を辿る―中世南フランスにおける異端審問と「カタリ派」迫害;悪評を通じて魂を統治する―一三世紀のルーアン大司教ウード・リゴーによる巡察 ほか)
第5部 他者とのコミュニケーションと秩序形成(外国人には官職を与えるな―中世後期チェコにおける貴族共同体のアイデンティティ;アレクシオスは平和の仲介者か―一二九九年前後のクレタにおけるヴェネツィア支配とギリシア人 ほか)
著者等紹介
服部良久[ハットリヨシヒサ]
1950年生まれ。1977年京都大学大学院文学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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