内容説明
本書は、自閉症のある子どもの自己感の形成過程を、先行研究にもとづきながら、障碍児学童保育での実践事例を手がかりにして解明しようとするものです。筆者自身が出会った出来事と、そこに集っているお母さんたちとの対話をもとに、自閉症のある子どもが養育者や周囲の他者との関係を生き、どのように育っていったかを記しました。そして、どの子どももその固有の生が肯定され、障碍のある人とそうでない人が「共に生きる」ということについて考察しています。
目次
第1章 自閉症のとらえ方とアプローチ―その変遷と問題
第2章 「育てる‐育てられる」という枠組みが持つ意味―本書の問題意識
第3章 実践の場における関与・観察―私の目指す方法的態度
第4章 事例:構造化のプログラムを越えて―学童期(桃・薫さん)
第5章 事例:「私は私たち」という意識はいかに育つか―思春期(まさき・純さん)
第6章 事例:自己肯定感の形成―「軽度」と呼ばれる子ども(きりた・恵さん)
第7章 自閉症のある子どもの関係発達の様相―自己感をめぐって
終章 子どもの固有の生を肯定する
著者等紹介
山崎徳子[ヤマサキノリコ]
1959年生まれ。2010年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、常磐会学園大学国際こども教育学部准教授。博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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