内容説明
宮沢賢治(一八九六~一九三三)詩人、童話作家。岩手において「銀河鉄道の夜」などの童話、「永訣の朝」などの詩を作り続けるも、三七歳で亡くなった宮沢賢治。本書では、その信仰・農業・文学の三側面に注目し、賢治という人物がなぜ生まれたのか、その意味を探る。
目次
序章 賢治はいつ宮沢賢治になつたのか―東北に生まれたことの意味
第1章 恵まれた幼年時代
第2章 勉学挫折と信仰心の高まり
第3章 立身出世を志して東京へ
第4章 トシの死と羅須地人協会
終章 家族への遺言
著者等紹介
千葉一幹[チバカズミキ]
1961年三重県生まれ。1986年東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了、博士課程中退。東北芸術工科大学講師、同助教授、拓殖大学商学部教授などを経て、大東文化大学文学部教授。1998年「文学の位置―森鴎外試論」で群像新人文学賞(評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
18
昨年の京都ブックサミット、ミネルヴァ書房さんのブースで購入。同社の評伝は数冊読んだが、これは比較的読みやすかった。賢治の幼児期の生育環境、父や家業への思い、信仰、高学歴なのに経済的自立ができないことや当時の社会風潮との関係に視点を置いている。斬新な視点ということではないが、それぞれを掘り下げている印象だ。一方、妹トシの信仰の契機などの記述が少ないことは残念で、また死期が近いトシの言葉の解釈には少し違和感がある。当時の平均寿命は42歳ほどとのことで、37歳での死はそれほど早いものではなかったのか、と驚いた。2025/02/13
J.T.
5
家のイチジクに今年はたくさんの実がついた。無肥料で育てた木だが、春になると毎年カミキリムシがつく。自分は仏教が好きだから殺生したくないのだけど、カミキリムシがひとの言葉を理解するわけでもないので、泣く泣く死んでもらっている。それも最近は抵抗が少なくなってきた。穴が空いて痛んだ幹を見ると、殺生をする罪悪感も少し薄まるのだ。全ての生き物が等しく幸せであることを願った宮沢賢治はどのように農と取り組んだのか?その答えは本書には書いていないが、改めて宮沢賢治を少しずつ読んでいこうと思いました。2024/08/23
鈴木貴博
1
今年の夏にでも花巻の賢治ゆかりの地に行ってみようと急に思い立ち予習として読む。 時代背景、家庭事情との関係を踏まえた賢治の生涯が分かりやすく説かれている。作品は大昔に童話として触れて以来ご無沙汰で、内容をはっきり覚えていたのは雨ニモマケズくらいだが、この機に改めて触れてみようと思う。 ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ2018/04/21
ぶるり
1
時代ごとの賢治とその周囲の様子と、時代背景を書いてあるのでとても分かりやすかったです。 参考文献がとても参考になります。2015/04/16
ルジャンパール究一
0
いきなりあずまんの動ポモ2が出てきてドッキリ。私も「貝の火」は好きです2020/09/27