内容説明
統合によって経済的・社会的発展の実現をめざす欧州は、危機に繰り返し翻弄されている。本書は、様々な危機が集約的に現れる財政セクターに焦点を当て、欧文文献資料を精査しながら、その本質を分析した、わが国初の欧州財政統合研究である。欧州諸国の連帯に根ざした財政統合の確立こそが、危機から根本的に脱出するための最重要課題と捉え、今後の欧州の経済的・社会的統合を深めるための課題を探る。
目次
第1部 欧州の財政協定問題(安定・成長協定と財政政策;構造的赤字と新財政協定)
第2部 欧州の財政同盟問題(資金トランスファー論と財政同盟;銀行同盟構想と財政同盟)
第3部 欧州の財政統合問題(財政連邦制論の展開;連帯・団結と共通財政;英独仏の欧州政策と財政統合;欧州経済・社会統合の課題)
著者等紹介
尾上修悟[オノエシュウゴ]
1949年生まれ。1975年~76年イギリス・シェフィールド大学院、社会科学研究科留学。1980年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、西南学院大学経済学部教授。京都大学博士(経済学)。2000年と2004年にパリ・シアンス・ポリティークにて客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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