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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
41
歴史学者・輿那覇潤お薦めの本です。現在、池袋ジュンク堂6階にて輿那覇潤書店が行われており、本書はそこに配架されています。著者が「仕事からの逃亡」として書いたエッセイで、表現がストレートです。他方で視点が屈折しており、そのバランスがこの本を良くしています。冒頭に紛糾した日韓の国際会議でアメリカのコーディネーターからの言葉が印象的です。「あなたは、過去をめぐる問題がそう簡単に解決すると思っているのですか。アメリカの南部では150年以上たった今でも、南北戦争当時のわだかまりが色濃く残っていますよ。」アメリカ社会2021/03/27
1192kotaroS
14
「日韓歴史認識問題」の背後にある特殊な状況や構造を当時の客観的データなどを用いて解き明かしてくれる一冊。日韓問題を表面的になぞるのではなく、その根本的な原因を追求していくためやや複雑で難しい箇所もあり、本というより論文を読んでいるような感覚にもなったが、その分内容が非常に丁寧で著者の日韓問題に対する真摯な姿勢が伝わってくる。また今回のテーマの前提として「過去」と「歴史」、「歴史」と「歴史認識」の条件・違いはそもそも何なのか、といった話は興味深く日韓問題以外のことにも応用できてる考え方で非常に勉強になった。2020/11/24
tellme0112
10
やっと読み終わった~。序章でおもしろそうだなと思いながらもなかなか読み進まなかった。読んでて苦しかった。日本はどういう国でいてほしいか。ここで、憲法前文につながるんだな…と思った。2019/09/15
アメヲトコ
6
2014年10月刊。日韓の歴史認識をめぐる軋轢がいかにして生まれてきたのかを、主として80年代以降の両国の政治動向と国際情勢の変化から考察した一冊。どちらも一貫してきたようでいて実際は全くそうでもないのは、我々にとって近過去とはいかに把握しがたいものであるかということを思い知らせてくれます。2018/02/14
matsu
5
今年のベスト10に入る!日韓問題となると左右共に非常に偏った本が多く、なかなか中立的な立場で知ることは難しいが、本作は時代背景、政治・経済状況など多角的な視点から、論旨的な考察がされていて非常に面白く、とても勉強になる。何度も読み返して身にしたい一冊。2017/12/15