内容説明
道元(一二〇〇~一二五三)鎌倉時代の僧侶。村上源氏の家に生まれるも、若くして出家し、比叡山などで修行を積む。渡宋し曹洞宗を学び、帰国後日本にこれを広め、波多野義重の誘いにより越前に永平寺を開いた。多くの哲学者が興味を抱いた仏法者が、時代と格闘しながら試行錯誤の末に辿り着いた思想に迫る。
目次
第1章 紳纓の胤
第2章 興禅の秋
第3章 入宋求法の旅
第4章 大事了畢
第5章 深草閑居
第6章 弘法求生
第7章 一箇半箇の接得
著者等紹介
船岡誠[フナオカマコト]
1946年東京生まれ。1969年明治大学商学部卒業。1977年明治大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、北海学園大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonanddai
6
さすが(W)道元…、その思想内容まではまだまだ踏み込めるところまではいきませんでしたが、その人となりというか、生き方みたいなものは何となくイメージできたような気がします。なんというか家柄もよく、優秀な人だけあって、自意識が強いというか誇り高いというか、そんな人だったような気がします。「この法衣は…釈迦牟尼の法衣…。これぞ仏祖単伝の真髄、いわばわたしは釈迦なのだ。」(「道元の冒険」井上ひさしより)こう言った言葉、本当だったと思います。2022/06/16
マウンテンゴリラ
1
もっと道元の思想をわかりやすく、かつ、掘り下げた内容を期待したが、私にとっては、そのような都合のよいものではなかった。しかし、道元の、さらに言えば、仏教そのものの教義としてのジレンマを示すものとして、興味をそそられる面もあった。つまり、仏教とは究極的には、救世済民を目的としたものか、個人の悟りを目的としたものなのか。この二律背反とまでは言わなくとも、両立することが困難な問題を、このような大僧正にしてさえ、常に模索し続けていたのではないかと感じさせる面があり、悟りとは一時的な個人経験ではなく、常に、→(2)2015/08/05